6月20日  鴻上尚史さん
「こえ」と「からだ」で遊ぶ
講師の鴻上尚史さん

本日の講師は、劇作家の鴻上尚史さんです。
劇作家として有名な方でもありますが、
表現を学びたい人や役者の先生としても有名な方です。
「こえ」と「からだ」で遊ぶ

「【こえ】で遊ぶって例えば何があるかな?
 【からだ】で遊ぶってなにがあったかな?」

しりとりや、ものまね、サッカーや鬼ごっこなど
次々と出てきました。


「今日は【こえ】と【からだ】を使って、きもちいいとか、おもしろいとか
イメージが広がるとか、そういうことするぞ。」
輪になってやってみよう@

まずは、全員で手をつないで円をつくります。
自分の身体の広がり、全体や隣の人の体の様子を感じました。

輪になってやってみよう@

そして手を向かい合わせに合わせて
やわらかく、隣同士押し合ってみました。

隣の人の身体と自分の身体がつながっていたり、
反発したり、そんな感触でした。
輪になってやってみようA

次にやったのは、前の人の背中に両手を置いて
くっついてキレイな円をつくります。

さあ、この状態から後ろの人のひざに座ります。

輪になってやってみようA

なかなかうまくいきません。

「前と後ろの人の距離を考えながら、だぞ。
 全員の心を一つにしないと できないぞ。」
と鴻上さん。

もう一回、とゆっくり挑戦してみると、、
輪になってやってみようA

できました!

この状態からさらに前の人の肩を揉んでみたり
したのですが、
バランスの難しさに輪が崩れてしまいました。


からだを動かすゲーム

三人一組をつくりました。
真ん中の人を、両側の人が手をつないで閉じ込めて・・・
「はい、両側の人、これは便器です。
 そして、真ん中の人。それはうんこです。」

「ええーっ!」
からだを動かすゲーム

大いに盛り上がる、楽しいゲームでした。

「遊びってのは真剣にやらないと面白くないぞ」
と鴻上さん。


からだで話そう@

二人組になって背中合わせで座ります。
そして課題は「一言もしゃべらずに、背中で会話しよう。」
お互い今朝、朝ごはんを食べたかどうか?
食べたとしたら何を食べたのか?
背中を使っての会話に挑戦です。

後になって、答えあわせをします。
「え、やった! デザートまで当たってるや!
 俺達すごいね!」
からだで話そうA

そして、かけ声をかけずに
背中を合わせているだけの状態から
二人の力で立ち上がることに挑戦しました。

お互いの体重を背中で支えあいます。
タイミングも、力の加減も、言葉では一切相談なし。

これが結構難しいのです。

からだで話そうB

二人組や三人組で、手をつないでバランスを取ります。
うまく重心のバランスが取れたら、
そのままでゆっくり立ったり、座ったりします。

「やってわかるけど、誰かが先に立ち上がろうとすると失敗するだろ。一人で立とうとしちゃだめなんだ。」
からだで話そうC

最後は目をつぶったまま、二人で一本のわりばしを支えます。
もちろん、口から出す言葉は禁止。
人差し指からわかる感覚だけで、パートナーの動きを読みます。
続けていると、わりばし越しにパートナーの動きを感じて
これる様になります。

からだで話そうC

鴻上さんが、この遊びで大切なことを教えてくれました。

「からだで遊ぶということは、
 自分のからだを感じるということであると同時に、
 相手のからだを感じるということでもあるからな。」

言葉を使わなくても、からだで色々なことが伝えあうことができる
ということが、少しずつわかりかけてきました。
こえであそぶ

「声は、気持ちが変わると、自然と変わるものだな。
 でも気持ち以外で、声の何を変えると、声は変わる?」

すぐに、子ども達がわかったのは
 1.大きさ  2.高さ
でした。一番大きな声、一番小さな声、思いきり高い声、
思いきり低い声・・・自分の声が様々変化するのがわかります。
こえであそぶ

「リズムかな・・・。」
「おお、日本語でリズムって何だ?」

リズムやテンポという言葉から、こえの要素がわかってきました。
 3.早さ 4.間
とにかく早くこえに出したり、ゆっくりこえに出したり
一文に色々な場所で間を空けたり、その変化を試しました。
こえであそぶ

こえの要素、最後の一つを考えるのに、苦労しました。
このヒントでついにわかりました。

「楽器で考えてみようか。バイオリンとフルート、何が違う?」
「わかった!音色だ!」
「素晴らしい!」  5.音色

 ドラえもんの声、鼻声、風邪の時の声、クレヨンしんちゃんの声
黒柳徹子の声、ダミ声、ドラ声・・ など試して遊びました。

自分のこえが色々変わることに驚きつつ気付くことができました。 


ムチャクチャ語

二人組を作って、背中合わせになって、とにかく
ムチャクチャな言葉で会話します。

初めのテーマは「今夜何を食べたいのか」

終わった後で、何を話していたのか日本語で答えあわせをします。

「そんなこと言ってたの?!」
ムチャクチャ語

次は「小学校6年間で一番、楽しかったこと」を話します。

何となく会話が成立しているみたいな気がしてきました。
「はい、日本語にチェンジ!」
で日本語で続けます。でもすぐに
「はい、ムチャクチャ語!」
やっているうちに、話がわかるようになってきて楽しくなってきました。


まとめの言葉

鴻上さん
「こえとからだで遊ぶのはなぜかというと、「表現するため」だな。みんなの中に色々な気持ちが浮かびます。
 それをこえとからだで表現しないと相手には伝わらない。
 祈っても祈っても、どうしても分かってくれないの?と言っても、分かりません。
 心でいくら思っても伝わらないんだ。
 それのこえとからだを使った表現を、難しく勉強してもしょうがないので、遊んだということです。」

自分達の持っている こえとからだの可能性を感じながら、
おもしろかった、といいながら子ども達は今日の授業を終えました。
鴻上尚史さん、ありがとうございました。