2月27日 卒業公演

「お芝居を作ろう!(後半)」


・・そこで私たちは考えました。
そうだ、海がなくなればいいんだ。

「銃で撃ち合って勝つのは、無理だって。」
「そうよ。もっとリアリティを大事にしなきゃ。」

「諸君。ナワトビ対決トハヨク考エタナ。」


地球の運命をかけた縄跳び対決の日がやってきた。


「イーチ」 「シマッタ!」

やったー!

話し合いをしていたクラスも外側から喜んでいます。

エー!?

たった今、海を無くす魔法をかけました。

そんな、ずるいよ!

やめるわけないよねー。

海がなくなれば生き物が死滅してしまう、と気づいた時は
遅かった。でも、杖を折ったことで元に戻ったのだった。

自分のことや目先のことを考えて
海を無くしたりするといけない、と分かりあえました。

友情の握手をかたく、結び、別れる。
竜や菜月、慎二が中心につくった話も、
大好評です。

「なんかおれ、だんだんあのクラスが
おもしろく思えてきた。」 、

「あの、本当はもっと早く聞くべきだったのかもしれないけど
和馬君は どうしてこういうクラスの子たちを
主人公にしようと思ったの?」

「うん、ぼくは、こんな話を考えていたんだ。」


「・・・なぜか偶然そんな子ばかりが集まってしまった
そう、「偶然」と思っていたんだ。
そう、その日がくるまでは。 」


「この学校は来月から廃校になります。」

「えー!」 (和馬は中クラスの子には見えない)

「キヨレ校長先生からお話があります。」

キヨレ校長先生は、
同じような小学生をあつめて学校を作り、
どうして優秀な転入生は、お願いして
学校を変わってもらいました。

なんでも競争の学校では、比べられ、
それが原因でいじめが起きてしまうからです。

平和な学校になったのですが、
競争のないこの学校は
ついに役人に廃校を言いわたされてしまうのです。


「同じ仲間同士みんなぬるま湯みたい になってませんか。」「競争があってこそ、能力はのびるのです。」と役人たち。

「あなたたちは、間違っています!」
「間違っているのは、あなたたちです!」

あたしは、この学校を残すべきだと思う。
いじめがないのはいい学校だ。

ぼくはカンバラ・ナカオカ(役人)派だな。
競争があるからみんな努力するんだし。

正しいことと正しいことがぶつかっている気がするんだ。
どちらも幸せになる方法を考えた方がいいと思う。

「また、火星人が出てきて役人を脅かすんだ!
タイトルは・・。」 「消えた役人・・。」「それだ!」

みんながわからなくなってくるのはきっとこのお芝居に
出てくる人たちの気持ちを考えているからだと思う。

そういえば、きっとこのクラスの子たちは、学校がなくなるって聞いたとき、すごく悲しかったんじゃないかなって。

私はいじめがないようにと、そればかり考えて・・。
私が、子どもたちを悲しませていたなんて。


想像上のクラスに登場した人々と、話し合いを真剣にしていた
クラスの人との境界線が次第になくなっていきます。


「いま、転校生たちの声が聞こえた。
さびしそうな声だった。」

「まるで、本当にいる人たちみたいに。」

不思議だよね。本当はいない人たちなのに
話し合いの間中、ずっといっしょにいた気がするよね。


「いたよ。」「ずっと一緒だったよ。ね。」
「うん、いたよ。」

「それぞれの宝箱」

一人一人の大事な思い いっぱい詰まったたからばこ
語り合うまで気づかなかった 心の中のたからばこ
一つのことを どれくらい話し合ったか 
数えきれるはずもないけど 心を開き考えた。
友達の気持ち 他人(ひと)の幸せ
自分のことよりももっと
大変だけど 楽しかったよ。
みんなといたから
一人一人のたからもの

わかりあうこと簡単じゃない。 一人一人のたからばこ 
信じることで初めて開く 心の中の宝箱
一人だけではぜったいできないいことが
たくさんあると気がついた。 
忘れはしない友情を 
仲間の笑顔とみんなの支え 
がんばりあえた 日々を
大変だけど笑顔になれるよ。
みんなといたから
心の中のたからばこ いまはみんなのたからばこ」

   
公演も無事、成功しほっと一息の子どもたちでした。            (公演本番 前半にもどる)