社会通念上のいじめと違い、法令上のいじめ対応については、「いじめ」という言葉を使わないで指導する場合があります。
【①行為で行った言動】例:親切のつもりで、「〇〇さんも意見言いなよ。」と言ってしまった。【②意図せずに行った言動】例:失敗した子に、「何やってんだよ。」と強く言ってしまった。【③衝動的に行った言動】例:うっかりぶつかってきた子に、「死ねよ!」と言い、にらんだ。
いずれも相手が心身の苦痛を感じていたらいじめに該当します。しかし、上記の場合などは状況により、すぐに加害側が謝罪をし、特段指導を必要とせず良好な関係を再び築くことができた場合は、いじめという言葉を使わない指導を行う場合もあります。保護者への連絡、報告でも同様です。その場合は事象の前後や経過をきちんと伝え、納得していただく必要があります。
列の順番を抜かされて嫌な思いをした場合でも、抜かした児童は法令上はいじめに該当しますが、これをそのまま「いじめです。」と児童や保護者に伝えることが妥当なのかどうか、学校は十分認識する必要があります。相手の気持ちに寄り添う、嫌な思いをさせたのならその行為を謝る、などを双方の児童に指導することで、「いじめ」ワードを使わずしていじめが解消することもあります。いずれにしても学校ははっきりとした経緯の説明を児童にも保護者にも伝えることが大事になります。