東京都では6月を「ふれあい月間」とし、いじめ防止や人権教育に関する意識をより高めることを目的としています。本稿でもこれまでさまざまな視点と本校の実践から記事をあげてきました。
法律でも禁止されている「いじめ行為」ですが、よく言われているのが、「いじめ」という言葉を使っているうちは、なかなかなくならない、ということです。「いじめ行為」は心身にさまざまな方法で苦痛を与える総称であり、本人(いじめをしたとされる側)にその自覚がないことが問題だとされているからです。「悪口は言ったが、いじめてはいない。」「相手を殴ったけど、ノリでやっただけで、いじめだと思っていない。」と話す子は少なくないのです。人権侵害、暴力、恐喝等、具体的にいけない行為をあげ、「犯罪行為だから許されないのである。」という指導を繰り返し行っていく必要性を感じています。
同じように、大人が行う「虐待」も同様とされています。「これはしつけであり、虐待ではない。」「わが子をたたくのは愛情表現の一つである。」という親(大人)も世の中に存在します。本質がぼやけてしまいがちな「総称」を使わず、行為そのものの是非を見極め、正していくことが、子どもたちを守るための大人の責務だと思っています。