2022.03.30学園だより3月号
「子どもみらい高円寺」
先日、北京で開催されていた冬のオリンピックが終わりました。夏の東京大会が1年延期で開催されたこともあり、夏から冬へ継続したオリパラ感覚が今も続いている気がします。夏の大会もそうでしたが、冬の大会でも多くの感動をもらいました。先日、カーリング女子で銀メダルを獲得した日本代表チームが帰国後オンラインで会見を開き、「最後までチーム全員で戦い切れて、感謝の気持ちが大きい」「応援が力になった。日本全体で勝ち取れたメダルと実感しています」などしみじみと話していたのが印象に残っています。
冬のオリンピックは個人種目が多いのかなと思っていたのですが。いくつか団体種目もあります。アルペン「混合団体」。クロスカントリー「チームスプリント」。ジャンプ「ラージヒル団体・混合団体」ノルディック「ラージヒル団体」。フリースタイル「エアリアル混合団体」。スノーボード「スノーボードクロス混合団体」。フィギュアスケート「団体」。ショートトラック「混合団体」。リュージュ「チームリレー」。バイアスロン「混合リレー」などに加えて、先ほどの「カーリング」や「アイスホッケー」はもともと団体競技です。カーリング以外でもスピードスケート・チームパシュート。ノルディック複合・ラージヒル団体。フィギュアスケート団体でメダルを獲得。ジャンプ混合団体、ジャンプ男子ラージヒル団体、女子アイスホッケー、スケート・ショートトラック男子リレーで入賞を果たしています。1月号で箱根駅伝「関東学生連合」を紹介しましたが、「限界を超えさせてくれるのがチームの力」。同じチームの仲間として一緒に生活し、練習していく中で高められていく気持ちや、みんなで積み重ねていく信頼や経験などが一人一人の力をより高めていくのだと改めて思いました。
学校がまさにそうで、「高円寺オリンピック」や「中学部体育公開」などの体育行事は、紅白対抗や学級対抗で、それぞれのチームで力を合わせて表現や競技に取り組むとともに、チームの仲間へのあたたかな応援や、相手へのおしみない拍手などもとても素敵です。また、「学習発表会」などの文化的な行事も学年などみんなで演奏や合唱を作り上げていく過程や、上級生の発表や作品から多くのことを学ぶことができます。そこで「学ぶ」という側面から考えてみると。こちらも1月号で紹介したのですが、国の学力調査でトップクラスの結果を出し続けている秋田県です。秋田の取り組みで注目したいのが、県内の小中学校で20年以上前から行われている「探究型授業」です。この授業は、子ども同士の対話を生かしながら課題を解決していくスタイルの授業です。秋田県では、ほとんどの教科で、この探究型授業が行われているそうです。そのため、秋田の子どもたちは、自ら考えを深め記述して答える設問に強いといいます。また、進んで学びに取り組む気持ちが強いことの理由としても、課題を自分たちで解決したり、その過程を自分たちの言葉で表現したりする中で、学ぶ意義を実感するようになっているからとも考えられます。学園の授業でも、グループで課題について意見を交換しながら考えを深めている場面を良く見ます。また、個々で考えたことをタブレット使ってクラスみんなで共有し、それをもとにさらに考察していく場面も日常的です。学校で一番小さなチームは「グループ」でしょう。小さなチームの中でそれぞれのアイデアや考えを素直に出し合うことができています。「三人寄れば文殊の知恵」といいます。仲が良く、お互い助け高めあうことが得意な高円寺の子です。この小さなチームの力をさらに高めていくことは必ずできます。そして、このことが個々の力や学級・学年のチーム力を高めていくことへとつながっていきます。
今年度もあとわずかになりました。クラス替えで「今の仲間と別れたくない」と思うチームばかりではないでしょうか。そして6・9年生は卒業です。新しい環境、新しいチームでさらにみなさん自身の力とそれぞれのチームの力を高めていってください。4月に開校3年目を迎える高円寺学園ですが、杉並第四小学校、杉並第八小学校、高円寺中学校の3校で新しい高円寺の学校「高円寺学園」を創っていく過程で大事にしてきたのが3校のチームワークと高円寺のまちとのチームワークです。まちの人々とともに行っている環境学習をはじめとして、高円寺の散歩、高円寺かるた、高円寺カンパニー、高円寺のまちの課題への取り組みや東京高円寺阿波おどりへの取り組みなど、まちのみなさんとともに活動していく中で、今年はあまりできませんでしたが、各種ボランティア活動に取り組んでいくことで、高円寺のまちの一員としての意識を高めてきました。学園では今年も校内研究テーマとして「かかわりとつながりの中で育つ高円寺のなかま」を掲げています。「チーム高円寺」として、チームの力を高めていくことで、高円寺の学校へ成長していけるはずです。これからもまちの皆様とともに力をあわせて、これまでずっとめざしてきた「子どもみらい高円寺」をつくってまいりましょう。
トップの写真は前の中学校の春の校庭です。周囲に芝がはってあり、そこここにタンポポが咲いていたのを思い出します。また、下の写真は開校前に3校でつくってきたニュースレター「子どもみらい高円寺」です。19号で開校となり、終了しましたが、気持ちはそのまま引き継がれ、学校だより「学び舎 高円寺」へと続いています。