2023.07.08小笠原自然体験交流成果報告会が行われました。
7月8日土曜日に、永福和泉地域区民センターにて、令和4年度第11期杉並区中学生小笠原自然体験交流成果報告会が行われました。本学園からは9学年の代表生徒1名が、パワーポイントを駆使した発表を行いました。
現在中学生を対象とした杉並区次世代育成基金活用事業は全部で3つあります。
国際的な体験をテーマにするオーストラリア ウィロビー、平和理解をテーマにする 広島 の派遣に並び、この小笠原自然体験は「環境リーダーの育成」をねらいとした事業です。今回は3月21日から5泊6日の日程で行われた体験の報告会でした。
冒頭には、行ってみないと分からないことがたくさんあって、体験することによって、生徒たちは本気で考え、自ら行動する意識をもつことができたという指導いただいた先生のお話がありました。
研究は、4つに分かれたグループにてそれぞれ深められ、さらに個人研究の成果を交えて発表されました。
一番手のCグループは、本学園生徒が所属していたグループで、入島時のおがさわら丸の役割や乗船した感想から始まりました。島にとって貴重な運搬手段である定期航路おがさわら丸の様子から、話は上陸時に外来種が島に入ることを防止する目的で、靴の泥を落とすマットを利用する仕組みに至ります。そして、ムニンヒメツバキの成長を阻害する外来種グアバをお茶にして土産物販売に活用する、共存の様子が紹介されました。外来種を駆除するだけではなく、観光と自然保護、外来生物の共存の努力について理解を深め、観光客も協力していかなくてはいけないと結びました。
他にも、終焉に近づきつつある島の寿命により、壊れつつある森やプランクトンの少ない海の自然環境の変化に関心をもち、この課題はいずれ本州の課題になるかもしれない、と事の重要性を訴えたグループ。ビーチクリーニングや、固有種の鳥類や島で産卵し孵化するアオウミガメの観察から、砂浜の保全と自然保護の具体的な対策を見出そうとしたグループ。漂流、着岸した途方もない大量のプラスチックゴミを目の当たりにし、「蛇口を閉める」というスローガンから、私たちの日常の生産や消費の見直しに関する決意と周囲への働きかけを継続していきたいといった意志を伝えようとしたグループ。まさに、生徒たちが体験を通して感じできたことや、課題として見つけてきたことが次々と発表された、見応えのある報告会でした。
最後には、「小さなことでも考えて行動する」「美しい自然を守りたい」とそれぞれの生徒が環境リーダー宣言を行い、報告会は終了しました。
自然とともに暮らす小笠原の文化に触れ、学校の伝統や地域の活動に携わる取組を広めていくと宣言した熱い思いが、今後大きく花開いていくであろうと期待を抱くことができた報告会でした。