2023.07.22生徒の生の声を区に届けました。―子どもの権利に関する条例の制定に向けて―
7月20日木曜日、本日、5校時、多目的ルームにおいて、9年生の生徒たちが杉並区役所の方、区教育委員会の方に子どもの思いや願いを伝える授業を行いました。
杉並区は、現在、「(仮称)杉並区子どもの権利に関する条例の制定」に向けての準備を開始していいます。その動きに呼応して、本学園の9年生の社会科三輪主任教諭の授業で「杉並区の子ども全員を幸せにする条例案を考える。」をめあてとした学習活動を行いました。
本授業には、杉並区の子ども家庭部の職員の皆さん、教育委員会の皆さんにご参加いただき、生徒たちの生の声・意見を聴いていただくことにしました。学習内容としては、「基本的人権」「地方自治における条例」「教育委員会制度」や「杉並区基本構想」「教育ビジョン」についての理解を深めた後、自分たちの課題意識をもとに条例に盛り込んでもらいたい事をグループで話し合うものでした。なお、杉並区基本構想や子ども条例については、子ども家庭部管理課長から、杉並区教育ビジョンについては、済美教育センターの指導主事の方から直接、ご説明いただきました。グループ討論には、12のグループそれぞれに区役所職員の方、区教育委員会の方にお入りいたたき、生徒の考えた条例への意見を直接、聴いていただきました。
最後の各グループからの意見表明として以下のような声があげられました。
「私たちのグループは、互いを認め尊重しあいながら生きるという内容を条例に盛り込むべきだと思います。なぜなら、人に対するいじめが減り、一人一人が不安なく、安心して暮らせると思うからです。当たり前に考えられているようなことも条例にすることで、少しは改善できると思うからです。」
「私たちのグループは、子どもたちの気持ちや考えを大人に素直に伝えられる機会を作るべきという内容を、条例に盛り込むべきだと思います。なぜなら、個性は尊重されるべきだからです。」
「私たちのグループは、遊ぶ権利という内容を条例に盛り込むべきだと思います。なぜなら、中高生が遊ぶ場(遊具などの使用)が制限されていることや、外で遊ぶことの楽しさよりも家でゲームをすることの方が楽しく感じることが多くなっていると思うからです。」
杉並区教育ビジョン2022には、「子供の思いを尊重する」「対話を大切にする」「社会を創る当事者として考える」ことが示されています。本日の社会科の授業は、正にその事を実現するものでした。最後に子ども家庭部の山田部長から、条例制定に当たって、今日のような子どもからの意見を大切にしていきたいというお話をいただきました。
一生懸命、区政の事を考え、グループ討議をする9年生の様子から、選挙権が与えられる18歳の立派な姿を想像しました。本学園の9年生は、しっかりと育っています。
(仮称)杉並区子どもの権利に関する条例が制定され、公になった時、本学園の9年生はきっと、自分の意見がどのように反映されているのか、しっかりと読み込むのだと思います。授業にご協力いただきました杉並区子ども生活部、区教育委員会の皆様に心より感謝したいと思います。