令和6年度 園だより

7月 ほめること と 叱ること     副園長  原 麻弓

 “ほめること”と“叱ること”は子育てをしていて難しいなぁと思うことの二つです。
いつほめるか、いつ叱るか は分かりやすいですね。
『良いことをしていたらほめる』『がんばっていたらほめる』『いけないことをしたら叱る』
 難しいのは“どのように”ほめるか、“どのように”叱るかです。

【ほめ】のレパートリーを増やしませんか?
 「すごい!」「かっこいい!」などほめる言葉はたくさんあります。
いつも使っているこの言葉にあと少しのエッセンスを加えると、
【ほめ】のレパートリーを増やすことができます。
 「すごい!」+「やっぱりね、あなたならできるって信じていたよ!」=信じほめ
 「かっこいい!」+「あなたのがんばるところ、好きだな!」 =好きほめ

 子供園の職員は子どもたちをほめる時、このような一言を加えていることが多いです。
 一人一人の子どもに応じて、その子の、その時に響くほめ方を工夫しています。

【叱る】時に気を付けたいことは…
 *大人として伝えるべきことは、明確に伝える。
 *プライドを傷つけない。 
 *一つのことで、全人格を決めつけない。
 *表情、声色、口調などにメリハリをつける。
 *過去のことを持ち出さない。
 
 分かってはいるけれど、叱る大人もまた感情をもっているので、いつもこのようにできるとは限りません。自分の𠮟り方は相手の心に響いたのだろうか、「自分のために叱ってくれたんだ」と相手は思えたのだろうか、と振り返ることが大切です。
 うまくできていれば良し!うまくいかなかったと感じたら、次は違う言い方をしてみようと思ってみるだけでも、叱り方は変わっていきます。

 何をほめたらいいの? 叱っても聞いてくれない! どうやって叱ったらいいの? など、
ほめることや叱ることで気になることはたくさんありますね。ご相談いただければ、私たち子供園の職員が一緒に考えます。いいところ探しの名人たちが一緒に“ほめポイント”を見つけたり、響く“叱り方”をサポートします!

6月 夢中になって遊ぶ    園長 五十嵐美緒子

 園だより4月号でもお知らせしましたが、今年度、杉並区教育委員会の教育課題研究に取り組んでいます。研究主題は、“夢中になって遊ぶ”です。
 先日、4歳くま組の研究保育を行いました。5月16日から始まったパーティーごっこのケーキ作りから、翌日「ピザも作りたい」と、ピザ作りが始まりました。研究保育当日は、それまでの様子を見ていた他の子も関心を示し、ピザを作り始めました。ピザの生地(画用紙)を丸く切る。トマトソース(のりに赤い絵の具を混ぜた)を塗る。トッピング(細長く切ってある赤や緑の色画用紙)を切って乗せる。かまどで焼く。といった手順で繰り返し何枚も作ることを楽しんでいました。また、その子たちの姿を見て、「どうやるの?」と作りにくる子。その子に「(トマトソースがついた)手を洗って・・・」「はさみで(トッピングの具材を)切って。」と丁寧に教えてあげる子。さらに焼き上がったピザを食べたり、デリバリーをする子も登場していました。
“パーティーのためにケーキやピザを作る”“何枚も繰り返し作る”“(自分も作ってみたいと)自分から取り組む”など、夢中になって遊ぶ姿が見られ、そうした姿が周りの子どもたちの刺激となっていました。
夢中になって遊ぶ中で、子どもたちはたくさんのことと出会い、いろいろなことを感じ、考えて、変わっていきます。これこそが幼児期に大切にしたい、学びの姿です。
幼児が夢中になって遊ぶために、教師は日々、環境の工夫を考えて保育しています。幼児の発達や経験を踏まえて、幼児が関心をもつような環境を考えたり、遊びが豊かになるように材料を用意したりします。
幼児が必要としている“時(タイミング)”をとらえて援助することが必要です。早すぎても、遅すぎても、夢中になり切れないのではと思います。大人は気が付くとすぐにしてあげたくなるものですが、そこを待ち見届けることも大切な援助です。
ご家庭でも “時”を意識して声のかけ方工夫してみませんか?
これからも研究の経過もお知らせしていきます。