園のお知らせ>>令和6年度 園だより >>10月 11月
令和6年度 園だより
11月 地域の中の子供園 園長 五十嵐美緒子
子どもたちは地域の中で暮らしています。
近隣の高井戸第三小学校や永福小学校、向陽中学校、下高井戸保育園、子ども子育てプラザ下高井戸などとの連携は、子どもたちにとって、年齢の近いお兄さんお姉さんや同年齢の子どもたちとの出会いの機会となっています。憧れの存在を近い将来の自分の姿と重ね、なりたい自分になるための大きな力となります。
子供園のバザーでバルーンコーナーを開催してくださった民生委員さん、竹とんぼ教室を開いてくださった「どこ竹@竹とんぼ教室」の皆さんとボランティアで来てくれた大学生など、初めて出会う大人の方との関わりもありました。
素敵なバルーンに目を輝かせ、どれにしようか悩みながら選んでいた顔。竹とんぼ作りで、ろうそくの火を使った時の真剣な顔。高く飛んだ時の嬉しそうな顔。
新しい人との出会いに加え、新しい素敵な出来事が重なり、人との出会い、ふれあうことの楽しさ、嬉しさが感じられたことと思います。
何よりご近所にお住いの方々には、いつもお騒がせしているにも拘わらず、温かい励ましの言葉を度々いただいています。お向かいの八幡神社は、毎月自転車置き場や日常的な遊び場としても、また通園の道としても利用させていただき、折に触れて気にかけていただいています。元気に挨拶する子どもの声も聞かれます。
“しあわせいっぱいの子供園”は、“しあわせいっぱいのまち”に育てられていると感じています。しあわせいっぱいの子供園の子どもたちは、やがてまちの人になっていきます。
キッズビューの利用が始まり、ICT化も進めていくことは大切です。小学校に入学するとタブレット端末の活用も始まります。それらを活用するためにも、FACE to FACEのつながりを大切にして、人とつながるしあわせを、今しっかりと体で感じる経験をたくさん重ねていってほしいと願っています。
人と出会い、関わる中でいろいろな気持ちを感じ、相手のこと、自分のことが見えてきます。想像力を働かせて、人の中、社会の中で生きる人になってほしいと願っています。
10月 見えるものと見えないもの 副園長 原 麻弓
9月17日の夜、東京の空には丸くて美しい月が出ました。
まさに“中秋の名月”でした。
子供園の保育室にも、子どもたちがいろいろな素材を使って“お月見団子”を作って飾ったり、園庭から職員と一緒にススキを採ってきたりして、季節を感じるひと時となりました。
私自身も帰り道によく月を探します。日によって形を変えたり姿を消したりする月の魅力を感じずにはいられません。満月も好きだけれど、細い三日月も好き。
それでも大人は、月はいつも丸くて、太陽の光が当たっている部分だけが光って私たちに見えていることを知っています。見えない部分があることを知っています。
子供園で子どもたち一人一人を見る時、私たち教師は子どもたちの輝いているところと、表には見えないところの育ちをしっかりと見ています。
輝いて見えるものは、大人にとっても周りの幼児にとっても、そしてその子自身にとっても分かりやすいものです。例えば、「縄跳びが跳べる!」「かけっこで一番だった!」など、結果として達成したものが当てはまります。
一方で表には見えないものは伝わりにくさがあります。『毎日、何往復も園庭を走るがんばり』『負けて涙が出ても次に向かおうとする気持ち』はなかなか周りの人には見えにくいものです。だからこそ、結果として達成できなかったとしても、それまでのがんばってきたことや最後まで取り組んだことの素晴らしさを、言葉にして
伝えていきたいと考えています。
今、園庭では子どもたちがかけっこをしたり踊りを踊ったり、年長組ではリレーに取り組んだりしています。
その中で教師が子どもたちに掛ける言葉や思い。
「おぉ!前よりも速くなった!」
「最後まで一生懸命走っていて、かっこよかったよ!」
「楽しそうに踊っているの、見ていてうれしい!」
「何回も走って、がんばっているね!」
見えるものだけではなく、見えないものに向けた言葉を多く発信しています。
結果だけではなく、過程を大切にする子供園の教育は、子どもたちがこれから育っていく中で「失敗しても次がある!」「私は私で大丈夫!」と思えるしなやかで強い心を育てています。
勝敗や出来栄えに意識が向いてしまいそうになるとき、いろいろな形に見せる“丸い月”のことを思い出して、“見えないもの”の良さを見つけてみませんか?
おうちの方と一緒に、その良さを見つけられたら、私たちもうれしいです。