12月9日  全校朝会講話
     〜「行ってきます」に込められた意味〜
 
先週、2年生の教室で道徳の授業をする機会がありました。授業では、あいさつのもつ力について、話し合いました。あいさつは友達と仲直りをさせたり、人と人を結び付ける力があったりするといった、たくさんの意見が出ました。

さて、朝、皆さんがお家をできるとき、何といって出てきますか。きっと、「いってきます」といって玄関を出る人が多いと思います。
この「いってきます」という言葉は、2つの言葉が合体してできたものだそうです。
では、どのような言葉が合体したかというと、「行きます」と「帰ってきます」という言葉が合わさって、「行ってきます」という言葉になりました。ちなみに、「いってらっしゃい」という言葉もあります。これは「行って、帰ってきてくれてありがとう」…帰ってきてくださいねという思いが込められた言葉になるそうです。

昔は旅をするのも、命がけでした。だから、旅立つ人は、「いってきます」と言うことで「必ず帰ってきます」という誓いをたて、見送る人は「いってらっしゃい」という言葉に「行って、無事に戻ってきてください」という思いを込めて言っていたのです。大切な人とまた会うことができるようにという願いから「いってきます」「いってらっしゃい」という言葉ができました。普段、何となく使っていた言葉に、こんな深い意味があることを言葉の意味を調べて初めて知りました。

昨日の12月8日は、83年前に日本がアメリカの真珠湾を攻撃して太平洋戦争が始まった日でもありました。この戦争では、多くの人が「行ってきます」と言いながら戦地向かい命を落とし、中には「行きます」としか言えずに戦地に向かった人もいると聞きます。
今、日本は平和です。当たり前に「いってきます」「ただいま」と言える日常に感謝して、あいさつを交わしてほしいと思っています。