令和6年度 学びの場
春爛漫の季節を迎え、お子様のご入学・ご進級おめでとうございます。心よりお喜び申し上げます。新入学児童67名を迎え、全校児童423名、通常学級15学級、梅組2学級の合計17学級で桃井第三小学校の令和6年度がスタートしました。
さて本校の教育目標は、『共に生きる子ども』を目指し、「たすけあう子」「かんがえる子」「きたえる子」です。この教育目標の具現化に向けて、知・徳・体のバランスのとれた子どもの育成に取り組んでいます。学校の中で子どもたちの生活の中心は、年間で850~1015時間実施する「授業」です。授業は単
に教科書の内容を指導するだけではありません。子どもたちは、様々な体験、様々な人・ものとの関わり等を通して、「自ら学ぶ力」「最後までやり抜く力」「人と関わる力」「相手を思いやる力」等の人間形成上必要な力が身に付くよう学習しています。
しかしながら、学習を進める中には、全てうまくいくことばかりではありません。そこには、「失敗から学ぶ場」としての学校があります。保護者の皆様でも、失敗を経験していない方はいないはずです。失敗をした時、なぜ失敗したのかと振り返る。そして、同じようなことがあったら、今度はどうしたらよい
か考え、次に備える。また、自分の失敗によって影響を受けた人がいた場合、相手の気持ちはどうであったのか慮る。こうやって、失敗から多くのことを学び、解決方法を学んでいくことが大切だと思います。そして、小学校では、こういった経験を繰り返すことが必要なのです。
本校では今年度、「失敗を恐れずに挑戦する力」の育成を大切にしていきます。そのためには、子どもたちに「自己効力感」を育んで参ります。
○自分は周囲の人や物事に、影響を与えられる人なのだという「信念」
○自分は課題を解決し、目標を達成できるのだという「自信」
○今はできなくとも、努力すれば将来できるかもしれないという「希望」
自己効力感を育むためには、これらの3つを子どもたちに持たせたいと考えます。
しかしながら上記の3つ以上に育てていきたいことは、自信がなくとも「やってみよう」と思える気持ちです。「できるかどうか分からないけれど、とりあえずやってみよう」です。そこから、粘り強く取り組むことを高めていきたいとも思っています。
また、子どもたち同士が学ぶ場では、「自分の言葉」で語り合い、聴き合う活動を大切にしていきます。対話することです。友達に、自分の考えや気 付きなどを「分かってもらいたい」という意識で語る時、相互に「分かり合える」ような、「子どもの学び」を生み出していきたいと思います。また、失敗したりトラブルにあったりしたときに、対話によって理解し合い、解決していく術を学んでいくことは、これからの子どもたちにとって、大切な力だと信じています。ですから、自分の気持ちや心を正確に伝える言葉を身に付けてほしいと願っています。
子どもたち、そして子どもたちの学びを支える教師自身、さらに保護者・地域の方々が、学ぶ楽しさや期待を感じながら、共に本校での学びに向かうことがで
きるよう教育活動を推進して参ります。今年度もどうぞ、よろしくお願いいたします。
杉並区立桃井第三小学校長 杉浦 敬