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令和3年度 園だより
9月 広い空に向かって 園長 五十嵐 美緒子
8月も元気に通ってきた☆ほしチームの子どもたち。暑さに負けず、元気いっぱいの夏を過ごしました。少しまとまった休みにご家族と楽しく過ごした話もたくさん聞かせてくれました。☀おひさまチームの子どもたちも、夏ならではの生活を満喫したことと思います。いよいよ実りの秋。2学期の始まりです。
感染症とどう向き合うかは、まだまだ正解が見つかりません。そんな中でも、日々の生活や子どもたちの未来のために何ができるかを考え、丁寧に暮らしを作る毎日には、楽しさも感じられます。「Yesか?Noか?」という二者択一ではなく、「Why?」「What?」「How?」など、何をどうしてどのように…と5W1Hを考える中で、新しい解と出会う喜びを感じます。
一人で考えるだけでなく、子供園の職員だけでなく、他の子供園や保育園、学校の先生たちと、教育委員会や保育課など区の職員の方々と、都内の幼稚園の先生方と、そして保護者や地域の皆さまと・・・などなど、多くの人と知恵を出し合い、考えることの大切さや喜びを感じます。これまでも同じように多くの方々と、様々な情報交換を重ねて子供園の生活を創ってきましたが、昨年からのコロナ禍で、その過程を見直し、新たに構築することの大切さを実感することができたのは、大きな収穫です。
新しい時代を生きる子どもたちには、多様な価値観の中で互いを尊重し合いながら生きる力を育んでほしいと願っています。このコロナ禍で、人と触れ合うことへの不安を拭い去ることはできませんが、人間だからこそできる心のふれあいやコミュニケーションを大切にして、生活をすすめてほしいと願っています。一人の人として自ら学びいろいろな出会いを楽しみ大切にしながら、「YesNo」「好き嫌い」だけでなく、“何だろう?”“おもしろそう”という心の声や“しっくりくるな”“なんだか気持ち悪い”といった体の声を感じながら、自分で考え、人と考え、いろいろやってみようとする人になってほしいものです。
1年延期となったオリンピックが開催され、先日パラリンピックも始まりました。開催の是非が問われ、大きく揺れた大会ですが、選手の皆さんの活躍を見ると、その力強さや真摯な姿に感動を抑えることはできません。パラリンピックの開会式は、とても楽しく感動的でした。テーマは『WE HAVE WINGS〜我々には翼がある』。様々な翼をもつ飛行機が風を受けて飛んでいました。片翼では飛べないと諦めず、飛びたいと感じ、挑み、風にのって飛び立つ姿には、思わず「飛んだ!」と声を上げてしまいました。
子どもたちの翼は、どんな形をしているでしょう?色は?素材は?一人として同じものはありません。今の翼が完成品でもありません。フライトも一回きりではありません。大人も子どもも共に暮らす者として、心のふれあいを大切にし、楽しくコミュニケーションしながら、子どもたちの飛びたい気持ち、飛び立つ喜びに出会える日々を重ねたいものですね。
8月 身体と心を作る食事 主査 渡辺聡子
杉並の区立園では、区の栄養士が立てた献立で、毎日の給食を提供しています。料理サイトのクックパッドでも、<杉並区の給食>を検索できますので、どうぞご活用ください。
給食の日の朝は、煮干しと昆布で取るお味噌汁の出汁のにおいから始まり、和え物の調味料を沸かすにおいや調理の始まったにおいで、「今日の給食は何かな?」と子どもたちの連想ゲームが始まります。スープは鶏ガラや野菜で、レストランにも負けない本格的な出汁を取るので、薄味でも深みのある美味しさになります。献立によって野菜の切り方を変え、食べやすさと触感の妙を味わえるよう、調理員が工夫しながら作っています。
栄養士は食育指導の一環で、『血や肉になるもの』『熱と力になるもの』『身体の調子を整えるもの』という食品群の話をしてくれます。毎年この話を聞くと、これはどのグループに入る食品かな?と興味をもって食べる姿が見られます。
クラスで野菜を育てる活動も、大切な経験の一つです。調理してもらって食べるだけでなく、育つ過程を観察し、育った野菜の絵を描いたりスタンプに使ったりして楽しんでいます。
こうして子どもたちは、空腹を満たすだけではない“食”の奥深さを学んでいくのです。
私は各クラスの食事指導に入ることがあります。日頃のあそびや生活で、この人の言うことならちょっと聞いてみてもいいかな?と思ってもらえる関係づくりができるように心がけています。苦手なものがあっても、そのものを除ければ食べられるよう、声をかけたり手を貸したりします。汁物は具が苦手でもスープだけ飲んでみよう、と声をかけます。良い姿勢を保ちながら食べられるような声かけも欠かせません。前は苦手だったものが食べられるようになったり、しっかり噛んで食べられるようになると自信につながります。成長を感じるシーンがたくさんあってとても楽しい時間です。
先日は「肉ばかり食べていると蚊に刺されやすくなるらしいよ。難しい言葉だけど身体が<酸性>になるの。野菜を食べると<アルカリ性>になって刺されにくくなるんだって。」と話すと、「へぇぇぇ〜‼」と驚きながら、「蚊は嫌い!野菜食べようっと。」と食べる姿がありました。
たくさん身体を動かして空腹になることと同時に、科学や季節の物語を織り込んで献立の意味を伝えるようにしています。
“食べることが好き”なだけでなく、自分の身体を作るために大切なものだという知識も身につけて行ってほしいと、願いを込めながらの毎日です。
暑い日が続き、食欲も落ちる時期です。
一緒に買い物に行って野菜を選ぶ、ゆで卵の殻をむく、ラップでおにぎりを作るなどの簡単なお手伝いが“食”への関心に繋がるものです。暑さに負けない身体で2学期にはひと回り大きくなって、運動会や園外保育、下高劇場などの楽しい行事に向かえるといいですね。