令和3年度 園だより

1月 次のステップに向けて        園長 五十嵐美緒子

2021年は、うし年『辛丑(かのと・うし)』でした。『辛』という文字から、つらい、きびしいといった印象もありますが、その成り立ちから見ると“新”という文字にもつながる。と、1年前の園だよりで書かせていただきました。『withコロナ』の生活も2年となりました。2020年の「子(ね)」は発生・種を撒くことを示し、丑(うし)は発芽前の芽が種のかたい殻を破ろうとしている形を表した文字で、殻を打ち破ろうとするエネルギーが満ちている何かを掴もうとする形を表しているとされています。『withコロナ』の2年はそのような年だったのかと改めて感じています。基本的なことの繰り返しとなりますが年末年始も健康チェックを行い、マスクの着用、こまめな手洗い、室内の換気を徹底し、密を避け、子どもたちが、安心して元気よく過ごすことができるようにしていきましょう。子供園でも継続して取り組んでまいります。

12月末のお楽しみ会では、園の職員がミニコンサートをしました。ハンドベルや木琴、鉄琴、そして、バイオリンなどなど、いろいろな楽器がピアノと共に奏でる音に、子どもたちは、聴き入っていました。目に見える楽器やそれを演奏する人だけでなく、そこから響いてくる見えない音を感じている姿がたくさん見られ、感じる心が育っていることがその表情から伝わり、こちらも幸せになりました。人には得意不得意もあり、好き嫌いもあります。ですから、音楽を聴くことが苦手な子ももちろんいます。それでも、みんなと一緒に歌を歌ったり、話を聞いたりしようとする姿が見られ、一緒に手をたたいたり、リズムに合わせて体を動かしたりする姿もあります。絵を描くことが好きだったり、走ったり踊ったりすることが好きな子もいます。友達の様子によく気が付き優しく接することができる子もいます。できないことに注目するのではなく、できること、好きなこと、得意なことをたっぷり楽しむことができるようにしながら、友達や先生と一緒に取り組むことで、ちょっと苦手なことにも触れ、いろいろな経験を重ねることができるようにこれからも努めてまいります。

さて、2022年の干支は『辛丑』を受けて、『壬寅(みずのえ・とら)』となります。「壬」の字は、「工」という文字の真ん中に「一」と長く引く形をしており、中身や内容が膨らんできている形を表しているそうです。次の生命を育む準備の時期を表していて、土の下で芽が膨んで土がぐんと盛り上がっている様子、種が膨らみ誰の目にも見えるようになっている様子を表しています。「寅」の文字の意味は「螾(ミミズ)に通じ、春の発芽の状態」、豊穣を助けるミミズが土の中で動き、芽吹きが始まった状態を表しているそうです。2022年は、種をしっかりと膨らませるエネルギーを充電できるように、みんなで前向きに、努めてまいります。よろしくお願いいたします。


資料リンク: 1月健康チェック表

12月 重なり合うように       主査 渡辺 聡子

我が家は欅の大木のそびえる公園の隣にあるため、この時期は休日の落ち葉掃きが欠かせません。いつもきちんとお掃除されている隣家も、日々舞い落ちる葉には追い付かないほどです。ちょっと時間がある時には、自分の敷地前だけでなく、ついでに少し境界線を越えてお掃除するようにしています。
 こんな小さな重なり合いを意識して動くことは、子供園でも大切にしていきたいことの一つです。

 栄養士から、『三大食品群について』くま組・ぞう組に話をしました。
 給食やお弁当の時に、「“たんすいかぶつ”をゆびさしてみよう。」「“たんぱくしつ”はどれかな?」と尋ねると、「わかる〜、これ!」としっかりと答えるのが楽しそう。空腹を満たすためだけではなく、栄養を考えながら食に向き合えるようになっています。

ぞう組は、調理員に1膳分のご飯をラップで二つに分けてもらい、10月の舞茸ご飯の給食でおにぎり作りをしてみました。両手それぞれに力を入れてしっかりと握ると、おにぎりのできあがり。○型だったり△型だったり、中にはおせんべい🍘型だったりも。11月には、白いご飯をおにぎりにして、海苔を巻いて食べました。「おいしい!」「さいこう!」と言いながら、全員が一粒残らず食べました。
  
 下高井戸子供園では、保育者・栄養士・看護師・調理員・用務員といった、様々な職種の職員が働いています。
 それぞれの職員が決められた仕事の他に、ほんの少し境界線を越えて仕事をすることで、重なり合いが生まれます。この重なり合いこそが子どもたちの活動を豊かにし、成長を見守る上でとても大切な目配りや心配りを生み出します。
 新しい年を迎える前に、職員全員で今一度確認をしながら、重なり合うような保育ができるようにしていきます。