令和4年度 園だより

1月 わくわくがあふれる年に     園長 五十嵐美緒子

12月17日 杉並教育フォーラムに参加しました。
今年のテーマは「みんなで話そう!考えよう!“わくわくする<学びの場>づくり”」でした。

子供園はまさに“わくわくする学びの場”です。新年は、わくわくがあふれる学びの場づくりに努めます。 
 わくわくドキドキをたくさん体験し、遊びを通して多くの学びが得られる場をつくり、教育・保育に磨きを
かけていきます。

 『遊びは学び』とお話したり、書いたりする機会が度々ありますが、遊びはわくわくしなければ楽しくありません。その“わくわく”の中に、たくさんの学びがあります。
 「人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ」(著ロバート・フルガム)という本があるほど幼稚園での遊びには、たくさんの学びの場があります。
私たちの役割はその遊びに出会う機会をつくり、遊びを深める楽しさを感じることができるようにすること、と考えています。
砂、土、虫、花などの自然物。紙や箱、ハサミのり、クレパスや絵の具などの様々な画材など作ったりかいたりするための素材。ままごとの皿や鍋、積木、マットなどの道具。子供園にある様々なものと出会い、自分でやってみたいと感じたことを形にする過程にたくさんのわくわくがあります。それを使うことがまさに学びです。また、できあがった時、また「どうしよう?」と考える時、そこには新しい学びの扉が待っています。
 人との出会い、つながりにもわくわくがいっぱい。
 幼児は、“人は自分と同じ考えではない”ということが少しずつ分かっていきます。自分の知らない楽しそうなことをやっている子に対して“何をしているのだろう?”と関心をもつ、“やってみよう!”と自ら動く、やがて“一緒にやってみる”“一緒にやってみたら一人よりもっとわくわくして楽しかった”と、つながり、わくわくが広がります。しかし、時に自分と違う相手とは様々な食い違いが生じ、トラブルにもなります。トラブルは、わくわくすると言うには、ちょっとドキドキハラハラしますが、その緊張感や困惑感から、また新たな「どうしよう?」が生まれます。そして子どもたちは、時には一人で、時には先生や友達とともに、新しい考えを見つけていきます。子どもたちの姿を見ていると、わくわくしてとても楽しくなります。
 子どもたちがたくさんのわくわくに出会い、学び、また、新たなわくわくに出会うことができるように、遊びが繋がり、深まっていくようにこれからも努めてまいります。
 さて、皆様にとってのわくわくする学びの場は、どんな場ですか?

12月 “共生社会の担い手を育む保育・教育をめざして”  副園長 原 麻弓

 先日、上記のテーマでの研修会に参加しました。
 まさに今、子供園に通っている子どもたちがこれからの社会を創っていく“担い手”となります。10年後、20年後がどのような社会になっているか、あるいは、どのような社会を子どもたちに創っていってほしいか、そのために今、私たちにできることは何か…そのようなことを考えさせられる研修でした。
 “共生社会”とは、『誰もが相互に人格と個性を尊重し、支え合い、人々の多様な在り方を相互に認め合える全員参加型の社会』です(中央教育審議会初等中等教育分科会より)。
 子供園は子どもが家庭から離れて初めて出会う大きな集団=社会です。その場が、どの子も安心して過ごせる共生社会であれば、自分自身のことも、他者のことも認め合い、人と共に生きるために必要なことを自分で考えていくことができる“担い手”を育むことができます。
 子供園では、担任や園の職員との安定した関係を基盤に、子どもたちがのびのびと自己発揮することを支えています。自分らしさを出せば、違いが出てきます。一昔前は、この違いをなくすために周りの大人が「それはダメ。」「こうでなくてはならない。」と決めていたかもしれません。けれども、これからの社会を担っていく子どもたちには、ぜひ、周りの人が持っている良さをたくさん見付けられる子どもになってほしい。
 「あの子はこれが得意だよね。」「すごいなぁ。」
 周りの人のうまくいかないことに気付ける子どもになってほしい。
 「あの子はこういう時困っているんだ。」「何か手伝えることはあるかなぁ。」
 自分が困っている時、ちゃんと助けを求められる子どもになってほしい。
 「これが分からない。」「手伝って。」
 そのためには、周りの大人も変わらなければいけないですね。 
  
 共生社会は、“共に生きる”社会です。そして私は“共に生かす”社会でもあると思います。子供園で過ごす子どもたちが、自分の良さを十分に発揮しながら、そこに他者の良さのエッセンスを取り入れ合い、よりよい自分、よりよい仲間、よりよい生活を創ることを願っています。
  
 先にお伝えした研修はオンデマンドでの動画研修でした。子どもたちにどのようなまなざしを向けることが大切か改めて考えられるよう、今、職員全員が順に研修動画を通して学んでいるところです。