園のお知らせ>>令和5年度 園だより >>8月 9月
令和5年度 園だより
9月 楽しいね 困ったね どうしよう 園長 五十嵐美緒子
いよいよ2学期が始まりました。暑い暑い夏に日焼けし、たくましくなった子どもたち。42日ぶりに全員での遊びや生活のスタートです。
毎月、園だよりの4ページ目「〇月の保育」のページで、その月の計画や目標をお伝えしています。
日々の保育を通して、教育目標(このページの「園だより9月号のタイトル↑」の下をご覧ください)を達成するために作成した年間指導計画をもとに、担任が毎週詳細な指導計画を立て、さらに日々の計画を立てて、遊びや生活を通して子どもたちの育ちを支えています。
こうしたねらいや経験させたい内容を基に毎日保育の計画を立てすすめています。大切なことは、幼児の実態と計画があっていることです。そのことで子どもたちが楽しみながら取り組むことができます。計画が先行しすぎて、子どもの育ちや心情、意欲にそっていないと、子どもたちが「やってみよう!」という気持ちにならなかったり、楽しいと感じられなかったりします。
うさぎ組がはさみを使って“自分で作る”ことを楽しめようにしようとするときに、ぞう組が使っているような☆型を切るという活動を計画しても、子どもにとっては難しいです。さらに、子どもたちの育ちや経験は様々で、Aさんが好きなことと、Bさんが好きなことは異なりますから、“自分でつくる”といっても、その取り組み方は様々です。一人ひとりの子どもたちが、どんなことを楽しんでいる?どんなことに困っている?今、どんな気持ち?と、子どもたちの姿をどうとらえるかによって、次の手立ても変わってきます。
楽しみながら取り組んでいる時は、子どもたちは、どんどん育っていきます。
“楽しい”経験を重ねることで、“もっとやってみたい”という気持ちが生まれます。苦手だったり、難しすぎたりすると“楽しい”という気持ちはなかなか持てず、次への意欲にはつながりにくくなってしまいます。
そんな時には、教師も一緒に“困ったね。”“どうしよ?”
“こんな方法は?”“〇〇ちゃんにみたいにやってみようか?”
と支えています。
就学前の幼児は“〇〇ができるようになる”ということを目指すのではなく、やってみたいという気持ち、やろうとする意欲、やってみたらできたという満足感や達成感を味わうことができるようにと日々省察を重ね保育をすすめています。
2学期の始まりです。子供園の2学期は、何と言っても、実りの秋です。育ち続ける子どもたちと一緒に、ご家庭でも“楽しいね”“困ったね”“どうしよう”と過ごしながら、大きく実ることを楽しみにしてください。
8月 子どもの人権 園長 五十嵐美緒子
子どもへの虐待や体罰、いじめ、不登校など、子どもの人権にかかわる様々な社会問題があります。こうしたことを少しでも減らし、子どもが一人の人として大切にされ、さらに自分も他の人も大切な存在であると感じることができるようになることが求められています。
東京都公立幼稚園こども園長会は、東京都の人権教育推進団体として、様々な研修を重ねています。先日も講演会があり“児童の権利に関する条約”や今年度制定された“こども基本法”さらには“東京都こども基本条例”等の法令や“こども家庭庁”の概要も含め、「子どもの人権について」のお話を伺いました。
「自分も人も大切する子」は、下高井戸子供園の教育目標の一つです。一人一人の子どもが大切にされ、安心できる子供園つくりを目指しています。
子どもは小さく守るべき存在であることは確かです。
その一方で、大人から見るとできないことも多く“一人の人”として見るには、まだ・・・と感じることもあるかと思います。
やろうとしていることを危ないと止められることもあります。
なかなかうまくできないでいると、大人が手を貸してしまうことで、挑戦するチャンスが減ってしまうことが子供園でもあります。
子どもたちが、自分は大切にされていると感じることができる時とは、どんな時でしょう?
子どもたちは、小さいながらも毎日どんどん育っています。
一人で着ることができなかった服を着ることができた。
転んで泣いたけれど自分で立ち上がった。
けんかをしたけれど自分の気持ちを話した。
思ったように作ることができずに悲しかったけれど、もう一度やってみたら今度はできた。
恥ずかしかったけれどお世話をしてくれたお兄さんにありがとうが言えた。
小さな失敗と成功を繰り返し、壁を乗り越えた子どもは、大切な力を得ています。そしてその姿を身近な大人にきちんと見届けられることで、自分は大切にされている、一人の人として認められたと実感することができます。子供園では、そうした生活を展開できるよう日々努めています。
幼児にとって「自分」は、わかりにくいものです。
「自分」のことは目に見えないので、わからないのは当然とも言えます。また「自分」と「他の人」の区別も難しいものです。10歳くらいになってようやく自分のことを客観的に感じることができるようになり始めると言われています。
うさぎ組の子どもたちは、生まれて3年。年長でも歩き始めて5年です。“自分を大切にする”と子どもが感じることは難しいことです。周りの大人が自分のしていることを一緒に楽しんでくれる、困ったときに一緒に考えてくれると感じた時、子どもたちは「自分が大切にされている」と感じることができます。大好きな人に自分が大切にされていると感じることができると、次は自分も人のことを大切にしようという気持ちが育っていきます。
7月21日から子供園は夏季休業期間です。
☀おひさまチームも☆ほしチームも、少し生活環境が変わります。それぞれのご家庭で夏の計画もあるかと思います。大人も自分で自分を大切にし、身近な存在を大切にして、暑い夏を乗り切りましょう。そして実りある2学期をみんなで元気に迎えましょう。