学校だより

令和元年度「学び舎 高円寺」

学校だより3月号「こども未来高円寺」


 今月2日に都立高校入試の発表があり、今年の3年生の入試日程を終了しました。第一志望に進学することができなかった人もいたと思います。しかし、第二志望校に進学した生徒に数年後合ったとき、「だめだったときはとてもがっかりしたけれど今は良かったと思う」という人が多いのも事実です。「気持ち的には残念だったが、自分を変えるきっかけになった。自分の希望通りだったら、自分はそのままだったと思う」と話してくれます。自分を高める絶好の機会と捉え「前を向いて」進んでくれたのです。

 この「前を向いて」と言う言葉が一番ふさわしいのが被災地の人々でしょう。2011年3月11日14時46分、東日本大震災。地震の規模はM9、観測史上最大の地震、各地を襲った津波、大きな被害、9年たつも完全復興には至っていません。東京23区でも震度5を記録。携帯電話通信障害、停電、鉄道の運行中止、通行止め、帰宅困難者。高円寺中にも多くの人が訪れ、生徒も対応を手伝ってくれたといいます。福島第一原発の事故。ニュース映像の防護服、水が売り切れ…今回の新型コロナウイルスと重なります。感染拡大防止のためスキー教室、卒業前の取り組みなど、すべてが中止となり、心から申し訳なく思っています。3年生は9年前、幼稚園などの卒園式もなく、紅白幕のない体育館での小学校の入学式に出席したのではないかと思います。昨年は在校生代表としてりっぱに卒業生を送り出してくれた3年生の今日の卒業式には送辞も答辞も合唱もありません。
 卒業式に先立つ3月14日、高円寺中学校閉校式を行いました。当初は卒業生代表として高円寺純情商店街のねじめ正一先生からお話を伺う予定でご案内させていただきましたが、後日、設定できればと思っています。私を含めて楽しみにしていた方々には申し訳なく思っておりますが、内容の変更をお許しください。さて、昭和22年4月1日 杉並区立高円寺中学校設立が告示されました。同5月1日 杉並第八小学校2階の5教室を借りて開校しました。職員は校長先生以下9名。生徒数323人。5学級でした。そして、10月8日には杉八小の校庭で大運動会が開催されました。翌年3月に現在の校地で新校舎の起工式を行い、8月6日に新しい校舎に移転しました。1期生の文章を引用します。
 
「1期生に高中時代の思い出はときけば、おそらく10人中9人までが、新校舎への引っ越しを挙げるに違いない。杉八での間借り生活から自前の新校舎へ、引っ越しが行なわれたのは。私たちが2年生だった夏休みのある日。クラスごとに、自分の教室の机、椅子を運び出し、椅子は一人1つか2つ、机は2人1組で新校舎まで運んだ。杉八から新校舎までの道は、いったん坂を下り、そして坂を上る。暑い上、机や椅子が重く、途中何度休憩したことか。また、引っ越しと前後して行われたのが校庭の整備作業だ。強制疎開の跡地だったとかで、校庭には瓦礫がいっぱい、それを片づけたり、草をむしったりと先生も生徒も汗まみれになっての奮闘だった…」とあります。

 ときがたち、平成19年10月より、高円寺中と杉四小で一貫教育を開始、週に1度5・6年生が高円寺中で生活するとともに、中学校の先生が小学校に出かけ小学校の先生とともに授業を行いました。高円寺中は杉八小とともにスタートし、平成19年からは杉四小とともに活動し、平成24年からは杉八小も加わり今に至っています。そしてこの年に発刊した「子どもみらい高円寺」は3校の小中一貫教育を紹介するニュースレターです。そこには「こどもの未来 未来の高円寺 つくるのは子ども」とあります。社会の一員、 次の社会の形成者を高円寺で育てていこうという強い気持ちが込められています。

 そして、そんな高円寺の子たちが自然に身につけているのが「高円寺シップ」です。小さな時から高円寺で育ち、阿波踊りをはじめとした様々な行事に関わってきたので、数多くあるボランティア活動には小学生も中学生も本当に多くの人が参加してくれます。また、小学校で行われている子ども祭りや、中学校の行事にも多くの保護者の方や町会の皆様をはじめとしたまちの大人達が惜しまず力を貸してくれます。多くの大人が子供たちに高円寺の気持ちやこころを見せてくれてきたことで、高円寺シップが代々伝わっていくのでしょう。

 高円寺中学校としての最後の卒業証書番号は第11140号です。9年間の義務教育を修了し、あらたな一歩を踏み出す卒業生の皆さんをいつものように歓送することはできませんでしたが、次の高円寺を担う皆さんが、身につけた高円寺シップで前を見ながら力強く歩みつづけてくれることを心からお祈りしております。卒業おめでとうございます  (校長 橋本 剛)

閉校式

3月14日、閉校式を行いました

卒業式の生徒の出席について


 さきに配布しました連絡では、3月18日の卒業式には卒業生と在校生の出席をとしたところですが、新型コロナウイルスの感染拡大防止策として主席する生徒は卒業生のみといたします、3月9日にメール配信もいたします。引き続き生徒のみなさんは外出を避け、各自で家庭学習を進めてください。何かありましたら、学校まで連絡をお願いします。

あけましておめでとうございます


 2020年のお正月を迎えました。オリンピック、パラリンピックイヤーです。前回1964年の東京オリンピックの時は小学校低学年だったのですが、実況中継で「世界中の青空を集めたような快晴」と表現された10月10日の空に描かれた五輪の飛行機雲を鮮明に覚えています。大戦後19年目に開催された東京大会は「復興」を世界に示した大会ともいわれています。それまで日本の有名なインフラと言えば、東京タワーくらいかなと思っていたのですが、「東海道新幹線」や「首都高速道路」、世界の建築史に名を残すような競技場などそれぞれ「日本の技術力」を証明するものでした。そして、実際この東京大会を機に日本は右肩上がりの高度成長を加速させていきます。

 あれから半世紀を経た2013年東京のオリンピック招致が決まり、いよいよ開催年を迎えることとなりました。大会ビジョンは1964年の東京大会が日本を大きく変えたように、「スーポツには世界と未来を変える力がある」で2020年の東京大会ではすべての人が自己ベストを目指す「全員が自己ベスト」。一人一人が互いを認め合う「多様性と調和」。そして未来につなげる「未来への継承」の3つを基本コンセプトとし、史上最もイノベーティブで世界にポジティブな改革をもたらす大会を目指しています。競技をみんなで観戦する機会もありますし、2020東京大会中高生ボランティア体験にも多くの生徒が申し込んでくれました。中学生という時のオリンピック・パラリンピック開催はみなさんにとって一生の思い出になるのかもしれません。

 オリパラを前に3年生は入試本番を迎えます。今年も都立推薦入試に挑戦する3年生と小論文の練習をしています。毎年最初のテーマは「学力について」です。入試を目前にして、どうしてもペーパーテストではかれる力に考えがおよびがちですが、ずばり「学力」とは何か…「学ぶこと」とは何か…。中学生にとって書きにくいテーマかもしれませんが、学びの根幹を考えるのにはぴったりです。その中で2018年の学習到達度調査結果からこの問題について論じてくれた人がいました。世界の15歳を対象に3年ごとに3分野の力を調べる学習到達度調査(PISA)で、日本の「読解力」の平均点が落ち、参加国中15位と順位を下げ過去最低となりました。コンピュータを使いネット上の多様な文章を読み解く力や、根拠を示して考えをまとめる自由記述式で弱く、想像力や表現力が伸び悩んでいることを示しています。日本の15歳はSNSやゲームに使う時間が長く、学習に使う機会と時間が少ない。SNSなど断片的な情報にさらされている日常で、長い文学作品を読み味わう機会もない。また、大量の情報から必要なものを選び出したり、情報を疑ってみたり、自分の考えを表現したりする機会も少ない。言葉を意識しながら文字をしっかり読む時間が減っているといった指摘もされています。
ここ数年、算数・数学には小中3校でずっと取り組んできましたが、今後は「論理的に考える力」、科学的リテラシー(活用する力)。真偽のしっかりしていないデジタル情報を判断し、情報の海を自ら泳ぐ力をいかに培っていくか等。これからの学びの方向性を考えていくためのヒントに違いありません。今年の年頭、一人一人が新たな目標を設定してくれたことと思います。さらに2020年は「高円寺学園」開校の年です。さきの一人一人が互いを認め合うことは高円寺の子どもたちの最も得意とするところです。小中学生すべての子どもたちが「それぞれの自己ベスト」を目指していくために、「これからの9年間の学び」を創造していかなければなりません。(橋本 剛)

よい年をお迎えください

12月28日〜1月5日 学校閉庁日です

12月号 中学校の棚卸し

 今も旧校舎の解体工事が続いています。建設工事に比べてスピード感はあるのですが、今まで何十年間も歴代の生徒が使ってきた校舎が解体されていくのを見るのは複雑な思いです。50周年記念誌卒業生の文章に「私たちの頃は、まだ、木造校舎が現在の鉄筋校舎の西側と北側にあり、専科の授業は、すのこの敷いてある渡り廊下を通っていったものです。木造校舎は体育倉庫のような部屋の奥が美術室で、校庭で体育をしているクラスを横目で見ながら授業を受けたものです。また、北側の木造校舎は1階に被服室があり、脚踏みミシンがずらりと並んでいました。黄色い小花のワンピースを縫ったことなど鮮明に思い出されます・・・」とあります。当時の校舎建設記録には次のように記載されています。
             
昭和39年4月27日 第1期鉄筋校舎落成(8教室、職員室)
昭和41年3月22日 第2期鉄筋校舎落成(8教室)
昭和46年6月23日 第3期鉄筋校舎落成、ダクト空調施設完成
昭和50年4月15日 第4期鉄筋校舎落成(特別教室6)
 
 あたたかみのある木造校舎から10年以上にもおよぶ4期にわたっての工事を経て鉄筋校舎が建設されました。最終的にはついこの間まで使っていた校舎が完成するのですが、環状七号線沿いということもあり、竣工当時から二重窓、全館空調という当時としては最新の設備を備えた校舎が完成します。そのころの在校生も新しい校舎ができあがるとともに、古い木造校舎が取り壊されていくのを同じように見ていたことでしょう。
 
 先日、すぎなみ教育シンポジウム2019で桃井第二小学校に出かけました。桃二小も工事中で、かつてとは違う入り口から入り、真新しい校舎の体育館でのシンポジウムは「学校の棚卸し」というテーマにぴったりの雰囲気でした。当日の資料に、一般的な「棚卸し」とは、お店の在庫管理のことですが、ここでは、子どもたちにとっていい学校をつくっていく手がかりとして「学校で行われている様々な取組等を改めて振り返り、日常に埋もれている良さや改善したほうがいいと思われることを見つけること」をいいます。とあります。このテーマで他校の先生方や、各校の学校運営協議会委員さんとの意見交換はたいへん新鮮で、現在棚卸し真っ最中の高円寺中へのヒントをいくつもいただくことができました。

 夏休みの引っ越しで、備品管理や在庫整理を終え、本来の棚卸しは終了したかに思いましたが、これから中学校自身が在庫として積み上げてきた「あたりまえ」の見直しを進めていくことになりそうです。すでに中学生3学年が同一フロアという、かつての中学校では考えにくい教室配置も問題ありません。思えば今までも3年A組のとなりが6年1組だったので着々と準備を進めてきた結果でもありそうです。標準服についても新しい学校づくり懇談会の部会でかなり議論してくださり、多くの方のご意見を伺いながら中学生の新しい標準服が完成しています。中学校の体育着についてもまもなく決定という段取りです。9年間を見通した学習指導については今まで3校の先生方で最も話し合いを深めてきたところですが、日常の学校生活について。たとえは、中学生の職員室ヘの入室について。上履きの学年色。生徒手帳をはじめとした学校生活のルール。給食について、さらに食育のありかた。特別支援教育(新たに開級する特別支援学級について、既存の特別支援教室)。職員会議や朝の打ち合わせ、諸会議のあり方。全校・児童・生徒朝会。生徒会・児童会活動。部活動・クラブ活動。特別活動。さまざまな行事。校外学習。環境学習。キャリア教育。土曜授業。さらには定期テスト、卒業アルバムなど・・・新しい学校の柱の部分はすでに原案ができあがっているものの、中学校のあたりまえの見直しに果敢に挑戦していくことで、今までの取り組みの良かったところを再確認するとともに、その上にたって何年か先を見通し、これからの時代を生きる子どもたちにふさわしい学び舎を作っていくことができると考えています。生徒の皆さんはもとより多くの方々からいろいろなご意見を伺いながら、進めてまいりたいと思っています。年末を控え、各ご家庭で大掃除なども計画されていること思います。ぜひみなさまも棚卸しをすすめていたたければ幸いです。よい年をお迎えください(橋本 剛)

11月号 新しい学校に期待感をもって


 杉並第四小学校と杉並第八小学校の学校だより10月号巻頭言はともに同じ内容です。
 
 『9月20日の金曜日に、高円寺中の新校舎で杉四小、杉八小の1・2年生の交流会を行いました。1年生は4階の大アリーナで、2年生は地下1階の小アリーナで交流し、新しい校舎の施設見学もしてきました。子どもたちは「すごくきれいだね」「たのしそうだ」「おもしろかった」と言っており、大変満足そうでした。新校に向けての期待感が高まったのではないでしょうか。』両校の学校便りは毎回楽しみに読ませていただいていますが、10月号の高橋校長先生と黒川校長先生共同執筆の巻頭言からは期待感とともに強い使命感が伝わってきます。
 
 旧校舎の解体工事が進むなか、中学生の皆さんは落ちついた学校生活を送っています。思えば、校舎や教室は変わったのですが、クラスが変わるわけでもなく、先生が変わるわけでもないので、大きな変化はありません。そして、4月を迎えるときに今の1・2年生はクラス替えをしてそれぞれ2・3年生に進級しますが、これも例年通りです。ところが、小学生のみなさんはどうでしょうか。3学期の終業式まではぞれぞれの学校、それぞれの学年・学級で生活しています。ところが、4月からは今まで通ってきた学校を離れ、新しい学校に通うことになるのです。進級・進学の季節なので、今までもクラス替えはあったかもしれませんが、今度は2つの学校のメンバーが同じ学校の仲間としてともに生活を始めることになるのです。小学校も春休みに引っ越し作業を行いますが、この夏、中学校が経験した引っ越しとは全く別物と言っても言いすぎではないでしょう。
 
 そして、10月号は次のように続きます『新校では、新しい友達、新しい先生との出会いがあります。中にはそうした環境の変化にとまどう子も出てくることでしょう。しかし、両校では、新校へ移行した時にできるだけ混乱なく、ソフトランディングできるように進めています。高円寺中を含めた三校での学力向上の取り組みやインクルーシブ教育の取り組み、環境教育の取り組みなど、来るべき新校での活動も見通して、三校の教職員で協力して進めてきました。高円寺地域の子どもたちのために、小中学校の教員が密に連携できることが、私たちチーム高円寺の誇りでもあります。』チーム高円寺とは、ここ数年間、3つの学校の先生方で、新しい学校づくりに向けて準備を進めていくなかで、3つの学校が高円寺にある学校として、一体感をもって取り組んでいこうという気持ちをこめて命名したものです。また、学校づくりについてはまちのみなさんで構成している「新しい学校づくり懇談会」も真剣な議論を重ねてきてくださいました。高円寺の新しい学校づくりもいよいよ最終段階を迎えようとしていますが、この最終段階が最も難しいところなのかもしれません。
 
 『私たちは、杉四小、杉八小のすべての子どもたちが、期待感、わくわく感をもって新校にいってもらいたいと思っています。新校に対してご心配やご不安などありましたら、いつでも遠慮なくお知らせください。不安や心配はみんなで乗り越えながら、子どもたちにとって、期待感のもてる、よりよい学校にしたいと思っています。』10月号はこう結んでいます。令和2年度は、高円寺学園開校式から始まり、第1学期始業式、小学部・中学部それぞれの入学式が終わったところで、すべてのメンバーがそろうことになります。高円寺のまちの新しい学校は教員だけの学校ではありません。ひとつのキーは8・9年生でしょう。先んじて学園で生活している者として、いつものように、あたたかく1〜7年生を迎え、ともに過ごしていくことで、みんなが安心して学校生活を送ることができます。そして、子ども、教員、まちのみなさんでひとつの「チーム高円寺」を作り上げていくことことを目指していきます。
わくわくしませんか 

9月号 窓から見えるもの

 
 9月号の発行が遅れましたことを心からお詫び申し上げます。日常生活の不摂生から、学校閉庁日後より体調を崩し、新しい校舎での生活が始まったとたんお休みをいただくこととなり、先生方には大変なご迷惑をおかけしました。また、2学期始業式にも間に合わず、生徒の皆さんにも多くのご迷惑をおかけしましたことに、重ねてお詫び申し上げます。病院への入院は小学校時代以来で、ベッドの上であれこれ考え事をしたり、病室の窓から空を見上げ、日々の空の変化を見ながら、改めて健康の大切さをかみしめつつ、療養中等で外に出ることができないときの、「窓の力」に新たに気づかされた感じがしました。

 新校舎工事中には、今までグランドだった場所に新しい校舎を作っていったので、旧校舎の各教室の窓からは校舎の工事の様子を見ることができました。校庭がなくなり、基礎工事が始まり、少しずつ新しい校舎の高さが高くなっていく、新しい学校が日々姿を変えつつ、完成に近づいていく様子を見る機会は、私自身始めてで、窓から見える日々成長していく新しい校舎を見ながら、小学校の先生方と相談しながら開校に向けての準備を進めてきました。しかしながら、現在在校している生徒の皆さんには、体育の授業、運動会、部活動などで不便をおかけしました。もっと大変なこともたくさんあったと思うのですが、みんなで力をあわせて乗り切ってくれました。ほんとうにありがとうございました。

 この2学期から小学生に先立ち、中学生の新しい校舎での学校生活がスタートしました。まだ日は浅いのですが、生徒のみなさんは教室等の配置に戸惑いながらも、落ち着いた学校生活を送ってくれています。中学生は4階の教室で主に学校生活を送りますが、先生方との相談であったり、特別教室での授業であったりで学校中移動しているような感じです。中学校の3学年がひとつのフロアに教室があるということは、かつての中学校の常識では考えられないことかもしれません。しかし、高円寺の子たちは今までも小学生と中学生がお隣どうしの教室で勉強してきましたし、休み時間には一緒に遊んできました。さらに、新しい学校には、小学生と中学生ともに生活していく工夫がいっぱいです。4月からの高円寺学園では、この新しい校舎を小学校・中学校という括りではなく、学園の児童・生徒みんなで一緒に使い、遊び、学んでいきます。来春に小学校のみんなを心から迎えるべく、この2・3学期にも小学生のみんなをたくさん学園に招いていきたいと考えています。

 新校舎教室の窓からは、今までとはちょうど逆で、取り壊し工事準備中の旧校舎を見ることができます。これから約1年間、新しい校庭ができていく風景を見ながら、小学生とともにつくる9年間の学年生活を今までの常識にとらわれることなく、素敵な9年間として見通していくために、中学生各教室の7年、8年、9年という学年表記を強く自覚してくれていることと思います。今学期もよろしくお願いします。(橋本 剛)

7月号

6月号 これからの運動会

先月の5月27日(土)に第67回運動会を杉並第四小学校の校庭をお借りして開催しました。5月だというのに気温30℃を超える中ながら予定度通りのプログラムを行うことができました。次年度運動会は校庭完成後の秋開催予定なので、実行委員会のスローガンも「限界突破〜胸に刻め 高中最後の運動会〜」としており、高円寺中学校として実施する最後の運動会を盛大に開催することができました。来賓、保護者の皆様多数の参観に心より感謝申し上げます。
先日、先生方と給食を食べながら運動会の話をしている中でALTの先生から「外国ではこのような運動会はありません。」という話を伺いました。調べてみると海外では「Sports Day」や「Field Day」というものはあるようですが、競技大会のようなものようです。もともと、イギリスやドイツの職工体育的行事を起源としていると言われている運動会ですが、日本独自の文化に発展してきたようです。

学習指導要領の前文には「これからの学校には、こうした教育の目的及び目標の達成を目指しつつ、一人一人の生徒が、自分のよさや可能性を認識するとともに、あらゆる他者を価値のある存在として尊重し、多様な人々と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え、豊かな人生を切り拓き、持続可能な社会の造り手となることができるようにすることが求められている。」と示されています。さらに、「特別活動」では、集団や社会の形成者としての見方・考え方を働かせ、様々な集団活動に自主的、実践的に取り組み、互いのよさや可能性を発揮しながら集団や自己の生活上の課題を解決することを通して、多様な他者と協働する様々な集団活動の意義等を理解し、行動の仕方を身に着ける。また、集団や自己の生活や人間関係の課題を見いだし、解決や合意形成を図ること。さらに、自主的、実践的な集団活動を通して、身につけたことを生かして集団や社会における生活および人間関係をよりよく形成するとともに、人間としての生き方についての考えを深め、自己実現を図ろうとする態度を養うことを目標にしています。特に、体育的行事では心身の健全な発達や健康の保持増進、事件や事故等から身を守る安全な行動や起立ある集団行動の体得、運動に親しむ態度の育成、責任感や連帯感の涵養(かんよう)、体力の向上などに資するようにすることを目指して行うこととされています。

特別活動の目標を達成するために学校行事は大きな役割を果たしていることは言うまでもありませんし、運動会を体験することで学級や学年、そして学校という集団への所属感や連帯感を深めることができています。日本では幼稚園から高等学校まで行われている運動会のもつ意味を再確認させてくれました。現高円寺中の運動会にはすでに4つの小学生参加種目があります。(仮称)高円寺学園の運動会は小中別の開催を予定していますが、種目の設定、児童・生徒の参加について、暑さ対策、係の活動等これからの(仮称)高円寺学園の運動会についても、新たな視点からみんなで考えていきたいと思います。

(仮称)高円寺学園中学部の標準服が提案されました。

ブレザータイプでボタンは2つまたは3つ、ズボンとスカートの生地、リボンとネクタイの柄などについて、児童・生徒や保護者、地域の方々のご意見を聞きながらすすめていく予定です。(写真は杉四小開催の高中運動会での展示。この後杉八小運動会にも出張しました。)

5月号 万葉のこころ

 改元に伴う10日間のゴールデンウイークが終わりました。いよいよ本格的に学校が始動します。1年生は入学して約1か月、疲れも出てきたころのお休みでリフレッシュ。元気にフレンドシップスクールに参加してくれました。また、2・3年生では本格的な運動会の準備が始まっています。杉四小校庭をお借りしての最後の運動会となります。今までの経験を生かしながら、今年のスローガン「限界突破〜胸に刻め 高中最後の運動会〜」にせまる大会を作り上げていきましょう。

 学校だよりのタイトル部分も「令和元年…」となっています。この新しい元号の出展は万葉集です。「初春の令月(れいげつ)にして、気淑く(きよ)風和らぎ(やわらぎ)、梅は鏡前(きょうぜん)の粉(こ)を披き(ひらき)、蘭(らん)は珮後(はいご)の香(こう)を薫(かお)らす。」この書き下し文の「初春の令月」の『令』は「令月」が何事をするにも良い月、めでたい月を表していることから「よい、めでたい」という意味があります。また、「風和らぎ」の『和』には「互いに相手を大切にし、協力し合う関係にあること」の意味があります。万葉のこころは高円寺中学校もずっと大切にしてきたことであり、これからの新しい学校でも引き続き大事にしていきたいこころでもあるのです。

 始業式で「今年を良い年にしよう」というお話をしました。新入生を迎え、高円寺中も新しい年度を順調にスタートすることができました。今年最初の生徒会朝会で各委員長さんから前期の活動についての話がありました。その中でいくつかの委員会から「今までお世話になった校舎を大切にしよう」「新しい校舎への引っ越しを円滑に行えるようしっかり準備していこう」などの話があり、たいへん心強く思いました。平成の時代に生まれた皆さんとともに、新しい時代に新しい学校でともに学び、これからの「令和時代」を作っていく皆さんの成長を全力で支援していきたいと思っています。

 新しい学校の教育目標案は、人間尊重の理念を基盤とし、創造的な知性と感性に富み、心身ともに健康で、夢に向かい志をもって、自らの道を切り拓こうとするとともに、かかわりとつながりを大切にし、地域・社会・自然とともに生きる人間の育成を目指して、次のような目標にする予定です。

○夢に向かい、たくましく生きよう
○共に考え 深く学ぼう
○かかわりを大切に 互いに助け高め合おう

 また、指導の重点は「かかわりとつながりを大切にする学校づくり」のために主体的・対話的な学びを大切にしていきます
・一人一人の子どもが、自ら考え、みんなと共に語り、考え、共に学びを深めていく、主体的・対話的な学びを重視する学校です。
・まちのコミュニティの核となる学校を目指します
まちの人々と共に、これからの学校やまちのあり方を考えていきます。そして、学校が子どもたちやまちの人々の交流・憩いの場となるように、みんなでこの学び舎を育てていきます。
・地域の就学前施設と連携し幼児期の学びを生かしていきます
地域の就学前施設との連携を継続・発展させ、幼児期の体験や学びを小中一貫教育につなげることで、9年間の連続した学びをより豊かなものにしていきます。
・互いの人格を尊重し、共生社会の基礎づくりを目指します
誰もが自分らしく幸福に生きる社会の実現を目指すために、人権教育を推進し、子供たちに人権尊重の精神を培います。
・すべての教職員は「チーム高円寺」の意識で学校づくりに取り組みます
・教職員もまちの一員として、まちの学校づくりにチームとしてきめ細やかに取り組んでいくとともに、学校だけでなく地域全体も一体となって教育を行っていく学校を作っていきます。(橋本 剛)

春がくる (仮称)高円寺学園開校に向けて1

春がくる (仮称)高円寺学園開校に向けて1
                              
 昨年度3月に今の体育館で最後となる第70回卒業式で40人の卒業生を送り出し、今日の入学式で37人の新入生を迎える予定です。平成31年度が始まりました。今年は、1学期間を現在の校舎で過ごし、夏休みに新校舎へ引っ越し、2学期からは中学生だけで、(仮称)高円寺学園新校舎での生活が始まります。工事は現在も進行中で、引っ越し後には現校舎の取り壊しが始まります。今年も安全面に最大の配慮をしつつ、落ち着いた学校生活を送ることができるように職員一同務めてまいります。引き続き、高円寺中学校へのご支援とご協力をお願いいたします。本来であれば、この4月から小中一貫教育校として開校の予定でしたが、1年開校が延期されたため、特に今年の新入生のみなさんには多くのご苦労や心配をさせてしまい、本当に申し訳ありませんでした。

 新しい(仮称)高円寺学園は「杉並区教育ビジョン2012」をもとに、夢に向かい志をもって、自らの道を拓く人、「かかわり」を大切にし、地域・社会・自然と共に生きる人を育てていくために、施設一体型小中一貫教育校ならではの教育活動を行っていくことで「共に学び共に支え共に創る杉並の教育」の一端を担っていきます。また、9年間の学びの系統性・連続性を重視した質の高い教育活動を提供することで児童・生徒の力を最大限引き出し、保護者・地域の期待に応えていくため。「学び舎 高円寺」をキャッチフレーズとしています。新校の教育方針等につきましては、今年の新しい学校づくり懇談会で再度提案してまいりますが、現在までのところ以下の3点を教育方針としています。

(1) 義務教育9年間の学びの系統性・連続性を重視した指導を行うことにより、学習習慣を確立させ、基礎学力を定着させるとともに、自立した一人の人間として他者と共に生きていくための、知性、感性、道徳心や体力を育む。
(2) 家庭・地域・学校が児童生徒の学びと成長について目標を共有し、職場体験活動やボランティア活動など、高円寺地域の特性を生かした豊かな成長の機会を確保しながら、社会とかかわる力を育む。
(3) 新しい時代や社会の変化に対応し、夢の実現を目指し、国際社会で活躍できる人材を育成するために、高円寺地域の力を活用し、一人一人に思考力、判断力、表現力などの資質能力を育む。
今後の新校懇談会の議論にもよりますが、これからの学校だよりで順次、紹介していく予定でおります。

〇高中メモリアルフォトコンテスト

 いよいよこの校舎も残すところ1学期間となりました。杉四小、杉八小でも準備を進めていますが、それぞれの学校の思い出を写真で残してまいります。今まで撮りためた写真に加えて、最後の1学期間の高円寺中学校を思い出としていくために、先生も生徒も1人1枚の写真を撮ってみてください。(学校のカメラでOKです。写真を格納しておく場も準備しておきます。そして、各クラスのベストショット2枚を選んでください。6クラス+先生チームですので、14枚の写真が選ばれます。この14枚で全校でのコンテストを行いたいと思います。締切は職場体験が終わる6月28日とします。この日までに各クラスのベストショットを選出し、エントリーしてください。様々な視点からの高円寺中学校を見せてくれることを期待しています。なお、人物が写っている場合には、必ずその人の許諾を得てください。写真のタイトルは1年A組20番なら…「1120春がきた 等」としてください。

〇卒業生のみなさまへ

 今の校舎もあとわずかということで、この校舎で同期会等を予定しているところもあり、いくつか問い合わせをいただいています。現校舎があるうちにとお考えの期がございましたら、学校までご相談くださいますようお願いいたします。(橋本 剛)