令和3年度 園だより

1月 伝統文化を継承する    園長 齋藤 由美

 新年明けましておめでとうございます。2022年が始まりました。今年は、心穏やかに過ごせる日が増えていくとよいですね。子供園でも引き続き感染対策をしながら、安心・安全に園生活が送れるようにしていきます。本年もどうぞよろしくお願いします。
 さて、私が子どもの頃の話です。毎年年末になると祖父母の家に親戚が大勢集まり、餅つきに参加していました。朝早くから凍るような冷たい水で餅米をとぎ、釜戸で餅米を蒸し、蒸しあがると、次々に臼でついていきました。白餅のほか、落花生やノリ、トウガラシなどを入れた餅もついていました。臼の横には、しょうゆ、きな粉、餡子、大根おろしなどが用意されていて、好き好きに餅を食べながら一日中餅つきです。つき終えた餅は、土間に並んだ板の上で、のしたりなまこ型に整えたり鏡餅を作ったりしました。大人が忙しいとき、私は、赤ちゃんを背負い面倒を見たり、だんだんと餅づくりに携わる仕事も任されたりしていきました。今振り返ると、とても貴重な体験だったのだなと思います。
 また、お正月には、家族でトランプやかるた、百人一首、羽根つきなどで遊びました。負けるのが悔しくて、何度も何度も挑戦したのを思い出します。凧を作っては、いつもまったく上がらず悔しい思いもしました。どれも自分で挑戦したり失敗したりしたこととして今でも心に強く残っています。
 今年の年末年始、皆さんはどのように過ごされましたか?
 2学期の終業式に、子どもたちに年末年始の挨拶の話をしました。子どもたちは、帰り際「よいお年を!」とすてきな挨拶をしながら休みに入っていきました。新年の挨拶は、できたでしょうか?干支やお節料理の由来などについてなどの話題は出ましたか?新しい知識にも子どもたちはとても興味をもっています。
 お正月は、サンタクロースから届いたプレゼントの双六や絵合わせカードで遊ばれましたか?ご家族で楽しまれたのではないでしょうか。双六は、遊んでいるうちに、いつの間にか数を知ったり、マスと対応して数えられるようなったりします。数人で遊ぶ中では、順番やルールを知ったり、勝ったり負けたりする楽しさも感じられるようになっていきます。また、今年は、12月の初めに保護者の方にコマを買っていただきました。3歳は手回しゴマ、4歳は引きゴマ、5歳は投げゴマと発達に応じて、挑戦するとできるようになっていくコマを選んでいます。初めは難しくても手先を使って繰り返し挑戦していく中で、指先の感覚、微妙な調節、そして集中しながら取り組めるようになっていきます。回せた時のわくわく感や「やった!」という達成感を味わいたくて何度も挑戦します。
 こうした伝承遊びは、体や手先、頭を使って、友達とでも一人でも楽しく取り組むことができます。3学期には、子供園でも発達に合わせて、凧作り、かるた、けん玉、あやとり、竹馬などの伝承遊びを用意していきます。
 日本古来からの文化や伝承遊びなど、ぜひ親子でも話題にしたり、一緒に遊んでみたりしてください。お正月遊びがきっかけとなり興味・関心が広がっていくことでしょう。様々な国の文化に触れる機会が多い昨今、受け継がれてきた日本の伝統文化に感性豊かな幼児期のうちに触れ、親しみを感じてほしいです。そのことが将来日本人としての自覚や誇りを高めることにつながっていくことでしょう。

12月 表現する喜び    園長 齋藤 由美

 朝夕の風が冷たく感じる季節となりました。近隣や公園の木々の葉も赤や黄色に色づき、日々変わりゆく紅葉を楽しませてくれます。早いもので今年もあと1月となりました。子どもたちは、毎日のびのびと自分を表現しながら園生活を楽しんでいます。
 さて先日は、PTA主催の人形劇『おむすびころりん』をありがとうございました。本物の人形劇をワクワクドキドキしながら楽しく観劇しました。年中ぺんぎん組では、人形劇を観たあと、自分たちでペープサートや映画ごっこに取り組み、人形を動かしながらおしゃべりを楽しみ、お客さんを呼んで遊ぶ姿がありました。年長いるか組は、「自分たちも劇をやってみよう!」と、早速こどもかいに向けて、劇遊びの取り組みが始まりました。各学年、自分たちの大好きな絵本をもとに「みんなで劇を作ろう!」と張り切っています。
 子供園では、日々様々なごっこ遊びが展開されています。おうちごっこ、警察ごっこ、お店屋さんごっこ、動物ごっこなど、身近な物事のまねをして、役になりきってふりをしたり、あるものを何かに見立てたりして遊んでいます。ごっこ遊びの中では、場面をイメージしながら遊びの場や遊びに必要なものを作って遊んでいます。ごっこ遊びを通して現実と空想の間を行ったりきたりしながら、イメージを形にする力や友達と共有する楽しさを経験しています。
 年中組の劇遊びでは、役になりきって動いたり話したりすることを楽しんでいます。年長組では、役のイメージが観ている人に伝わるよう、歌や動き、言葉を友達と考え作っていく姿が見られます。学級の友達と一緒に一つのお話を作りながら、演じる楽しさや喜び、お客さんに観てもらう嬉しさも経験してほしいです。
 幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿の視点の一つ 〜豊かな感性と表現〜では、教育要領に「心を動かす出来事などに触れ、感性を働かせる中で、様々な素材の特徴や表現の仕方に気づき、感じたこと、考えたことを自分で表現したり、友達同士で表現する過程を楽しんだりし、表現する喜びを味わい表現する意欲をもつようになる。」とあります。
 日々の生活の中で、劇遊びを通して、子どもたちが感じる豊かな感性や表現をしっかりと受けとめ育んでいきたいですね。
 こどもかいでは、子どもたちの1年の成長を感じていただけると嬉しいです。
年少らっこ組は、日々ごっこ遊びに夢中です。学級のみんなで遊ぶ楽しさも感じ始めています。3学期に劇遊びを行います。楽しみにしていてくださいね。