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令和4年度 園だより
5月 遊びは学び 副園長 大塚 玲華
入園・進級から3週間程が経とうとしています。たった3週間ですが、子どもたちは、新しい環境に慣れ、あちこちで自分がしたいことを見つけて遊ぶようになってきました。今回は、3歳児らっこ組の様子をお話します。
らっこ組では、少し前から保育者が園庭に用意したおもちゃの車(ブルドーザーやダンプカー)を走らせる遊びをしています。丸太道や、板積み木、芝生、ウレタン積み木など様々なところで自分の車を走らせること、走らせる場所によって、ガタゴト、スーッなど、手に伝わってくる様々な振動などを楽しんでいるようです。数日すると、それだけにとどまらず、花壇の縁や、子どもたちが自由に遊びの場を作れるように用意してあるビールケースの上を走らせるようになりました。ビールケースは、ビール瓶が入るように格子状になっています。車を走らせているうちに、格子状の部分に車のタイヤ部分がはまってしまうアクシデントが!どうするのかな?と思って見ていると、タイヤがはまってしまった子は、それを“車が脱輪した事故”という状況に見立て、車の気持ちを代弁するかのように「助けてー!」と言いました。そして、近くで車を走らせていた他の子が、その言葉を聞いて、自分の車で脱輪している相手の車を押し、助ける動きをしました。その後、わざと脱輪し、「助けてー」と言ったり、他の子が車を助けたりすることを繰り返し楽しむ遊びが見られました。
また、「車を走らせる時の振動や音を楽しんでいる」「荷物を運ぶ動きが見られるようになっている」という子どもの姿から、音が鳴る荷物を保育者が用意したところ、車に荷物を乗せる遊びも楽しむようになっています。様々な色の荷物を車に乗せて運ぶうちに、「この色の荷物が使いたい」という思いをもったようです。近くにいる子に自分から関わり「取り替えっこして」と交渉する姿も見られました。
成田西子供園は、子どもたちの「遊び」をとても大切にしています。「遊び」というと、ただ遊んでいると捉えられがちですが、子どもたちは遊びを通して様々なことを経験しているのです。例えば、車の脱輪の場面では、自分から車を様々な場所で走らせるという、能動的に環境に関わること、偶然に脱輪した状況を遊びに取り入れること、「助けてー」という表現、その言葉をきっかけに、子ども同士が関わるという経験です。荷物の交換の場面では、自分の言葉で相手にしてほしいことを伝えること、それを聞いて対応することなどを経験しています。
このように、子どもたちは、遊びを通して、ものや人と関わり、外の世界に対する好奇心を育んだり、探索したり、人との関わり方、その中での自己表出など、様々なことを学んでいきます。これらは、生きていく上での基礎となることはもちろん、身近なところでは、学校教育全体の生活や学習の基礎を培うことにもつながっているのです。
この大切な「遊び」が充実するように、どういった環境を用意しようか、保育者はどのような関わりをするのがいいか、その中で子どもが学んでいること、育とうとしていることは何か、毎日の保育記録や、園内研究会などを通して考えた上で保育を行っています。今年度は、保育記録に写真も活用し、より深く子どもの姿や学びを読み取り、保育を行えるようにしています。先日は、聖心女子大学教授 河邉貴子先生をお招きし、研究会を開きました。子どもたちの様々な遊びを見ていただいたり、記録の取り方について教えていただいたりしました。
遊びは学び!遊びを通して子どもたちが日々どのようなことを学んでいるか、保護者の皆様とも共有して、その楽しさや喜びを共有していきたいと思います。研究会で学んだことも取り入れながら、子どもたちの遊びの様子や、その中で育っていること、学んでいることなども写真とともにお伝えしますので、是非ご覧くださいね。
4月 成田西子供園のしあわせを創る 園長 齋藤由美
春です。成田西子供園の園庭では、チューリップやパンジー、ネモフィラなどが赤、青、黄色と色とりどりに咲き誇り、元気いっぱいの子どもたちが大きくなったことを喜んでいます。
お子様のご入園ご進級おめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。
3月に35名の修了児を送り出し、令和4年度は、らっこ組23名、ぺんぎん組29名、いるか組34名、全園児86名でのスタートです。
新しい先生方もお迎えしました。ぺんぎん組担任 根本(ねもと)葵(あおい)先生、保育補佐 鎌形(かまがた)瑞穂(みずほ)先生、栄養士 高田(たかだ)治子(はるこ)先生、保育補助 中山(なかやま)由美(ゆみ)先生です。新たなメンバーと共に、ますますパワーアップしていきます。
成田西子供園では、心身ともに健康で、自ら考え主体的に遊びや生活に通り組むことができる幼児の育成を目指して、次のように教育目標を設定しています。
「げんきな子 ◎かんがえる子 自分も人も好きな子」
今年度は、「かんがえる子」に重点を置いて取り組みます。
げんきな子・・・一人一人が、体を動かして遊ぶことが楽しい!体を動かすことが気持ちいい!と、伸び伸びと自分を発揮できる子。自ら体を動かし進んで運動しようとする子。自分の体を大切にできる子。
◎かんがえる子・・・不思議だな!やってみよう!おもしろい!と自分のやりたいことに取り組み、自分で考えるのって楽しい!もっとやりたい!こうしてみよう!とじっくり遊び込める子。
自分も人も好きな子・・・友達と一緒に過ごすのが楽しい!力を合わせるのが楽しい!と、自分らしさを出しながら友達と互いを受け入れ合い、自分も人も大切にできる子。
しっかりと遊ぶことで子どもたちは、いろいろなことに興味関心をもち、自分のしたいことを見つけて、
それを実現するために、考えたり工夫したりしながらいろいろなものや人と関わり育っていきます。子供園では、楽しい経験だけでなく、失敗や葛藤する経験などを重ねながら、自分で考える楽しさや豊かな感性、表現する喜びなどを育てていきます。そして、杉並区の教育ビジョン「みんなのしあわせを創る杉並の教育」に向かい、『成田西子供園のしあわせを創る』を目指して、子どもたちがやりたい遊びを存分に楽しむ中で「子どもが子どもらしく」心も体もたくさん動かしながら自分らしさを発揮し、友達と育ち合ってほしいと願っています。
併設の就学前教育支援センターとも連携しながら、協働研究に取り組み、保育の充実を図ってまいります。
職員一同常に、❝子どものために❞を第一に考え、『成田西子供園のしあわせを創る』ために力を合わせて取り組んでまいります。保護者の皆様、地域の皆様、ご理解とご協力のほどよろしくお願いいたします。