令和3年度 園だより

3月 夢をもつ喜び  園長 齋藤 由美

 北京オリンピックが閉幕しました。コロナ禍で日常の生活が不自由な中、日本の選手たちからたくさんの勇気と感動をもらいました。フィギュアスケートの羽生結弦選手は、4回転半のアクセルに挑戦、スノーボードビッグエアの岩淵麗奈選手も超高難度技トリプルアンダーフィリップに挑戦。怪我を抱えつつ、諦めないで挑戦する姿が見ている私たちに感動を与えてくれました。スノーボードの平野歩夢選手は、決勝で高難度の技に挑戦し、悔しい思いの中でより完成度を上げた演技を成功させ、金メダルを獲得しました。チームでの競技にもドラマがありました。スキージャンプの混合団体でのスーツ規定違反とされ失格となった、高梨沙羅選手、スピードスケートパシュートで最終コーナーで転んで銀メダルとなった高木菜那選手、本当に辛く悔しい思いをしたことでしょう。カーリング女子の選手たちは、決勝で負けた悔しさと銀メダルの喜びの両方を感じていました。喜びも悔しさもチームの仲間や同じ競技の仲間と励まし合い、支え合い、認め合う姿がありました。
 どの選手たちも、夢に向かって日々努力し、失敗しては諦めずに取り組んできた素晴らしい成果です。こうした姿から私たちが得たものは本当にたくさんあります。
 オリンピックの刺激を受けて、成田西子供園では、今、年長組の子どもたちが、スノーボードに挑戦しています。滑り台の上から、段ボールで作ったボードに足をのせ、横向きに滑り降ります。バランスを取るのが難しくて、何度も転んでいます。繰り返すうちに、自分でコツを感じ取り、だんだんと立って滑る時間が長くなっていきます。このような姿からも、子どもたちが、やってみたいという気持ちをもって、何度も繰り返し挑戦し、「できた!」「やった!」という気持ちを経験している姿がみられます。
 子どもたちは、今様々な夢をもっています。小さな夢、大きな夢、どんな夢も「あきらめない」「できる!」そんな気持ちで夢をもち続ける喜びを感じてほしいです。
 2022年からの杉並区の新しい基本構想の策定を受けて、教育委員会より「杉並区教育ビジョン2022」が示されました。これまでの10年「共に学び共に支え共に創る杉並の教育」をビジョンに掲げ、家庭・地域・学校(園)が力を合わせて教育に関わる環境づくりに取り組んできました。こうして築き上げてきた杉並の教育を基盤に、新たに「みんなのしあわせを創る杉並の教育」をビジョンに掲げ取り組んでまいります。
 これからの10年は、予測不能な時代がやってきます、また、「人生100年時代」が現実のものとなり、100年という長い人生を生き生きと自分らしく生きていくために、いくつになっても学び続けられる人を育成していくことが大切です。
 誰もが、自分が描いた夢や目標に向かって努力し続け、自分らしく生きること。他者と共に学び合い、ちがいを認め合っていくこと。そして、誰もが社会の創り手となって、協力して新たな価値を創り出していくこと。みんなの幸せを目指して教育活動に取り組んでまいります。
 コロナ禍で様々な行事日程が変更される中、いつも温かい愛情で子どもたちを見守り、園の運営にご協力をいただき本当にありがとうございました。

2月 一人一人の良さを伸ばしながら  副園長 大塚 玲華

あと2ヶ月でらっこ組の子どもたちは、ぺんぎん組に進級、ぺんぎん組の子どもたちは、憧れのいるか組に進級です。いるか組の子どもたちは、いよいよ一年生ですね。
 4月の入園、進級時のお子さんの姿を思い出すと、今の姿はどんなところが成長しているでしょうか。私は、らっこ組は子供園での遊びが楽しくなって、伸び伸びと自分を出すようになったこと、ぺんぎん組は、気の合う友達ができて、一緒に遊ぶことが楽しくなったこと、いるか組は、友達と行事や遊びで同じ目的に向かって考えを出し合ったり、力を合わせたりしてやり遂げることができるようになってきたことが、成長だなと感じています。そして、なによりも、どの子も大人に言われるのではなく、「自分から」生活や遊びに取り組めるようになってきたと思います。
 子どもたちは、一人一人顔が違うように、得意なこと、苦手なことも違います。その子らしさを伸ばしながら、できることを増やし、自分から生活や遊びに取り組めるようにするために、私たちは一人一人に合った保育を考え、行い、どの子も健やかに成長することができるようにしています。園内の特別支援コーディネーターを中心に、園内支援体制を整え、以下のことにも取り組んでいます。(今年度は、担当:副園長大塚です)
○保育者の資質向上
 日々の保育で気付いたことを伝え合ったり、園内研修会に参加したりすることで、幼児理解を深めたり、より良い援助や環境について学んだりしています。どの職員も一人一人に合った適切な関わりができるようにしています。
○保護者の方との連携
 学年だよりや、降園時、参観・面談、学級懇談会などで、子どもの育ち、これからさらに育ってほしいことを共有できるようにしています。ご家庭でのお子さんとの関わり方や、園で行っている関わり方、環境の工夫を共有し、園でも家庭でも、お子さんが常に同じ働きかけを受けられるようにします。
○個別指導計画の作成
 必要に応じて、個別指導計画を作成し、個に応じた指導目標を立て、目標を達成するための具体的な指導方法、指導内容を明確にします。保育を適宜振り返り、個別指導計画を評価、改善したり、学期ごとに保育者全員で情報共有、検討したりしています。
○外部専門家との連携
 年4回、巡回相談員に来ていただき、援助の方法や環境についてアドバイスをしてもらいます。今年度は、どの子にとっても分かりやすく、生活に取り組むために、絵カードの活用や、環境の整備の大切さについて教えていただき、実践しています。
これからも、子供園のどの子どもにとっても、わかりやすく、自分から遊びや生活に取り組むことができる保育を行っていきます。そして一人一人が育つ中で、子ども同士もお互いの良さを受け入れ合い、育ち合うことができるようにします。
 何かありましたら、職員にお声かけください。子どもがもっている良さを伸ばしながら、一緒に育てていきましょう。