令和7年度杉並区立高井戸第四小学校 学校経営方
1. 学校経営方針の作成にあたって
学校は、児童のためにある場所である。学校では、児童が多くのことを学び、経験を積み重ねながら自分の人生を形づくり、将来 「社会人」として自立できるよう、次の観点を踏まえながら児童の健やかな成長を支援していかなければいけません。
(1)学習指導要領の観点から
「新しい時代に必要となる資質・能力の育成」に向けて、
「知識・技能の習得」「 思考力・判断力・表現力等の育成」
「学びに向かう力・人間性等の涵養」の伸 長が求められます。
(2)杉並区教育ビジョン2022の観点から
「みんなの幸せを創る杉並の教育」における5つの視点、
①子供の思いを尊 重する ②ちがいを受け入れる ③対話を大切にする ④学びの成果を贈り合う ⑤社会を創る当事者
を踏まえた教育活動の展開が求められます。
(3)杉並区子どもの権利に関する条例(令和7年4月1日)の観点から
すべての子供が生まれながらにもっている権利として、
①安心して生きる権利 ②育つ権利 ③守られる権利 ④自分らしく生きる権利 ⑤意見を聴かれる権利 ⑥個別の必要に応じて支援を受ける権利といった権利主体としての児童観が求められます。
こうした求められる資質能力の育成と人権尊重の観点に立って、保護者・地域とともに教育活動を推進していく必要があります。
2.学校教育目標の実現に向けた基本方針と目指す児童像
(1)進んで学ぶ子を育てるために
(2)心豊かな子を育てるために
(3)たくましい子を育てるために
(4)協働する子を育てるために
特に今年度は、(4)を重点目標として、
「多様な他者と協働して、未来を切り拓くことができる児童」の育成を
目指して、児童が将来に明るい希望と勇気をもち、自分も人もよりよく生きる ことができるような学校生活の実現に努めることとしています。
(キャリア教育と基礎的・汎用的の能力の育成)
3. 学校経営方針を支える3つの手立てとその内容
(1) 児童が明るく前向きに学校生活を送るための手立て
① 授業づくりの工夫
・ 主体的・対話的で深い(楽しい)学び
・ 児童が主体となって探究する活動
・ 地域の教育資源の活用
② 特別活動の充実
・ 児童の発想を活かす特別活動
・ 学級会、学級活動の工夫
・ 学校行事への参画
③ 児童の心身の健康
・ いじめの未然防止と早期対応
・ 校内外の生活安全(食・薬品管理・施設管理・情報)
・ 不登校、登校渋りへの対応
(2) 保護者と児童の成長を喜び、信頼関係をつくるための手立て
① 保護者連携の充実
・ 個人面談と学級保護者会
・ 個別の教育的ニーズの把握
・ 人権尊重の考え方に基づいた学級・学習指導
② 地域連携の充実
・ 地域人材、地域フィールド、学校支援本部、学校運営協議会との連携
・ 幼保小中学校との児童及び教員交流
・ 地域連携等による多様な体験活動の充実、
(3) 教職員の協働と指導力の向上を図るための手立て
① 教職員の協働
・ 学年経営の充実と交換授業
・ 分掌主任を中心とする児童観察による実態把握
② 求められる指導力
・ 校内研究を通じた指導方法の改善
・ 教員間での幼保小中連携
・ いじめ防止対策
4. 学校経営方針の実現に向けた教育課程の確実な実施
(1) 児童が明るく前向きに学校生活を送る取り組み
・ 課題解決型の学習を通して、児童が個別的・協働的に問題解決に取り組んだり、探究的な活動を行ったりすることで、課題解決の楽しさが分かり、学び続けようとする態度を育てる。
・ 児童の発達段階に応じた「考え・議論する道徳」を展開し、生命の尊さ、親切・思いやり、友情・信頼、よりよい学校生活・集団生活の充実等の自己の生き方について、考えを深めることができるようにする。
・ 児童自らが設定した課題を一人ひとりが自分ごととして捉え、それをもとに課題のよりよい解決のために、個別や協働的な学びを場面に応じて児童が選択する力を育成する。
・ 児童の思いを大切にし、1年を通して課題を追究できるような学習計画を立てる。また、学校支援本部を通した地域人材を活用しながら児童主体の学習活動を展開することで、よりよい自己の生き方や主体的に地域に関わろうとする社会参画の態度を育成する。
・ 他の学習活動との関連を図りながら、学年の実態に応じて学級や学校の生活をより楽しくしたり、努力目標を自分で決定したりする話合い活動を行うことで、協働的に課題解決を図り、自己の調整力や多様な考え方を理解する態度を育てる。
・ 縦割班活動では、上級生のリーダーシップが発揮されるよう活動を工夫し、よりよい人間関係を育てる。また、委員会活動、クラブ活動では、「よりよい学校生活の実現に向けて」、児童の創意工夫を生かし、学校生活における自治的態度の育成を図る。
・ 年6回の「生き方教育」を通して、自分の将来に対して明るい希望と勇気をもてるようにする。特に第5・6学年では、地域人材の活用を通してキャリアプランニング能力の育成を重視する。
・ 学校司書や図書ボランティアによる読み聞かせ、読書月間の取組を通して、読書活動の推進を図り、読書への動機付けを行い、読書力の伸長を図る。
・ 身近な季節の変化に関心をもったり、言葉の意味の理解を深めたり、日本の伝統文化に慣れ親しんだりするために、学期に1回、俳句をつくる活動を取り入れる。
(2) 保護者と児童の成長を喜び、信頼関係をつくる取り組み
・ 児童が自発的・自治的・主体的に活動を展開できるようにするとともに、いじめ防止の視点からも、よりよい集団活動や成功体験を通して、集団への所属感や自己有用感を深め、協力してよりよい生活を築いていこうとする態度を育てる。
・ セーフティ教室では、外部講師を招き、第1・2学年で「不審者対応訓練」、第3学年以上で「SNS安全教室」、第6学年で「薬物乱用防止」をテーマとして児童の危険回避能力の向上を図る。
・ 1人1台専用タブレット端末の活用に際して、各教科や特別の教科道徳、総合的な学習の時間との関連を図りながら、情報教育の年間指導計画にもとづきデジタル・シチズンシップの意識の向上を図る。
・ 「高四スタンダード」の遵守を通して望ましい生活習慣の定着を図り、生命尊重の態度や心身ともに健康な児童を育成する。また、学校安全計画に基づいた指導を行い、児童の安全の確保に努める。また、定期的な施設設備の安全点検を通して危険個所の迅速な把握と修復を図る。
・ 4年生で弁護士と連携したいじめ関連の授業の実施等、年3回のいじめに関する授業を行う。
・ 教育相談部やスクールソーシャルワーカーとの連携を図りながら、ことりルーム(不登校別室支援事業)やICT機器の活用を通じて、児童の実態に応じた学びの機会や居場所の充実を図る。
(3) 教職員の協働と指導力の向上を図る取り組み
・ 「出会う-楽しむ-迎える」をテーマにした近隣幼稚園・保育園との交流会
・ 連携する中学校との遊びのフェスタや生徒会による6年生への出前授業、授業公開を通した教職員の交流などを通して、児童が中学校生活に夢と希望をもつことができるようにする。
・ 特別支援教育コーディネーターを中心として、校内委員会やケース会を開催し、児童の困り感の把握とスピード感ある対応を組織的に行う。また、個別の支援計画等を活用し、児童のニーズに合わせた支援ができるようにする。
以上のような、内容を踏まえて、目指す児童の実現を目指していきたいと思っています。
杉並区立高井戸第四小学校 校長 本橋忠旗
令和6年度 杉並区立高井戸第四小学校 学校評価報告書
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