令和6年度杉並区立高井戸第四小学校 学校経営方針
1.はじめに
令和6年度は、高井戸第四小学校は、創立85周年を迎えます。親子3代にわたり、本校の卒業生という家庭も少なくなく、地域住民の方から本校の教育活動に対する期待は高いものがあります。
学校は、児童のためにある場所です。児童が多くのことを学び、経験を積み重ねながら自分の人生を形づくり、将来「社会人」として自立できるよう支援していかなければいけません。
学習指導要領の求める「新しい時代に必要となる資質・能力の育成」に向けて、各教科で求められる「知識・技能の習得」「思考力・判断力・表現力等の育成」「学びに向かう力・人間性等の涵養」を伸長・定着させていく必要があります。また、杉並区教育ビジョン2022では、「みんなの幸せを創る杉並の教育」では「教育の当事者として心がける視点」として、次の5点を挙げられています。
@子供の思いを尊重する
Aちがいを受け入れる
B対話を大切にする
C学びの成果を贈り合う
D社会を創る当事者として考える
こうした背景を踏まえ、目指す児童像を「自ら未来を切り拓き、心豊かでたくましい児童」とし、児童が、卒業を迎える時には、自分の将来に明るい希望と勇気をもって巣立つことができるよう教職員が一丸となって教育活動に取り組んでいきます。
2.目指す児童とその取組方針
<学校教育目標>
「進んで学ぶ子」「心豊かな子」「たくましい子」「協働する子」
<進んで学ぶ子を育てるために>
(ア)基礎的・基本的な学習内容の定着を図るとともに、主体的・対話的で深い学びの充実を目指した授業改善に努める。また、児童の自ら探究的に学び続ける意欲や思考力・判断力・表現力等の向上を図る。
(イ)1人1台専用タブレット端末や学校図書館を活用して、個別最適な学びの機会を推進し、児童が自ら学び続けようとする態度を育てる。
<心豊かな子を育てるために> 思いやりの心一相手意識と想像力の育成
(ア)全教育活動を通して、人権尊重の教育を徹底するとともに、様々なちがいを認めたり、受け入れたりする対話と関わり合いを大切にした学習活動を重視し、児童の所属意識や自己肯定感を高める。また、いじめの未然防止、早期発見、早期対応を組織的に取り組む。
(イ)人や自然と関わる活動や地域と共に行う活動を通して、望ましい人間関係や感謝の気持ちをもち、地域に貢献しようとする態度を育てる。
<たくましい子を育てるために> 挑戦する心―自信と勇気、安心して学び続ける環境
(ア)学習したことを活用・発表する機会の充実を図り、目標に向かって自らすすんで努力したり、新しいことに挑戦しようとしたりする意欲的な態度を育てる。
(イ)家庭・地域の協力を得ながら望ましい生活習慣を身に付けるとともに、心身ともに健康で明るく、元気に学校生活を過ごそうとする態度を育てる。
<協働する子を育てるために>
(ア)1人1台専用タブレット端末を活用して、話合い活動を充実させ、自他の考えを生かしながら、よりよい考えを見付け出そうとする態度を育てる。
(イ)地域人材を活用した学習や様々な学習の機会を通して、協働意識や参画意識を高め、社会の一員としてよりよく関わろうとする態度を育てる。
3. 学校経営方針
<信頼> 保護者から子を通わせてよかったと思われる高四小
子供、保護者、地域の願いを受け止め、信頼される学校づくりを推進する。信頼される学校は、 教育効果が一層高まる。地域での子供の姿は、地域からの信頼につながる。
<感動> 気付き、発見、できる喜びがあり、学び合える高四小
子供たちにとって、学ぶ楽しさや喜び、学び合いによる面白さを見出せる授業づくりを行う。学び合いは、思考を深め、他者理解も深まる。また、それを成立させるマナーやルールの理解も必要となる。このことは、集団生活の場となる「学校」の大きな魅力につながる。
<健康> 明るく、元気で、前向きに過ごすことができる高四小
心身ともに健康に学校生活を送ることができる環境の改善を行う。運動に慣れ親しむ経験や心の健康の保持増進は、生活の基本であり、学校生活に活力を与えることにつながる。
4. 学校経営方針の実現に向けた中期的方策
<信頼> 保護者から子を通わせてよかったと思われる高四小
@人権尊重の意識に立った挨拶や丁寧な言葉遣い、敬称をつけた呼び方、基本的な生活習慣(整理整頓、清掃活動等)を重視し、組織的に一貫性をもった指導を行う。
A多様な人たちが住む共生社会の実現に向けて、地域と連携を図った学習活動を行い、多様な他者とのかかわり方について考えを深めたり、行動できるようにしたりする。
B「いじめ・差別は許さない」という考え方のもと、アンケートやヒアリング、日頃の児童観察を通して、未然防止、早期発見、早期対応に努め、児童が安心して学校に通うことができる環境をつくる。
<感動> 気付き、発見、できる喜びがあり、学び合える高四小
@「考え、気付き、発見」 のある授業づくりを通して、知識・技能を有効に活用し、見通しをもって論理的に課題を解決する力を育てる。
A体験活動や地域人材の活用を通じて、主体的に学習にかかわったり、意欲的に学びに向かったりする力を育てる。
BICT機器やデジタル教材の有効な活用を図り、思考を深め、個に応じた指導の充実を図る。
C学んだことをもとに、これからの自分や地域社会の在り方について、自分なりの考えをもち、伝えることができる力を育てる。
D教科横断的な指導を工夫し、「生きて働く知識・技能の習得」×「未知の状況にも対応できる 思考力・判断力・表現力等の育成」×「学びを人生や社会に生かそうとする学びに向かう力の育成」を図る。
<健康> 明るく、元気で、前向きに過ごすことができる高四小
@日常の中で「聞く・話す」活動を重視し、友達の考えを生かしたり、自分の考えを調整したりしながら、他者の存在を尊重できる態度の向上を図る。
A児童相互のリーダーシップとフォロアーシップを発揮しながら、よりよい人間関係やチームワークを形成する。
B遊具等を使った運動の機会の充実を図り、児童の心身の健康の増進を図る。
C食育を推進し、食と健康についての理解を深める。
5 今年度の重点目標
@主体的・対話的で深い学び
(ア)課題解決型の学習を通して、児童が主体的に他者と協働しながら問題解決に取り組んだり、探究的な活動を行ったりすることで、課題解決の楽しさが分かり、学び続けようとする態度を育てる。
(イ)教科横断的な学びやICT機器の効果的な活用によって、児童の主体的・対話的で深い学びを実現する。
(ウ)児童の発達段階に応じた「考え・議論する道徳」を展開し、生命の尊さ、親切・思いやり、努力と強い意志、よりよく生きる喜び等の自己の生き方について、考えを深めることができるようにする。
(エ)身近な季節の変化に関心をもったり、言葉の意味の理解を深めたり、日本の伝統文化に慣れ親しんだりするために、学期に1回、俳句をつくる活動を取り入れる。
(オ)学校司書や図書ボランティアによる読み聞かせ、読書月間の取組を通して、読書活動の推進を図り、読書への動機付けを行い、読書力の伸長を図る。
(カ)学級活動においては、他の学習活動との関連を図りながら、話合い活動を発達段階に応じて行う。
(キ)第5学年及び第6学年の外国語科では、それまでの学習を踏まえ、「聞くこと」「話すこと」に重点を置いて指導するとともに「読むこと」「書くこと」の活動を通して、コミュニケーションを図る基礎を育成する。
(ク)第3学年及び第4学年では、「聞くこと」「話すこと」の活動を通してコミュニケーションを図るための素地を育成する。
(ケ)第1学年及び第2学年では、教科時数外で年間5時間の英語遊びを設定し、6年間を通して、外国語を用いたコミュニケーションに慣れ親しむことができるようにする。
A個に応じた指導
(ア)1人1台専用タブレット端末や学校図書館を効果的に活用し、誰もが、いつ でも、どこからでも、誰とでも学べる環境を整え、情報を収集、整理・分析する活動を通して情報活用能力を育成する。
(イ)算数科では、基礎基本の確実な定着を図るために、全学年で習熟度別指導を実施するとともに、学習支援教員を活用する。
(ウ)特別支援教育コーディネーターを中心にとして、校内委員会やケース会を開催し、児童の困り感の把握とスピード感ある対応を組織的に行う。
B健やかな心身の育成
(ア)縦割班活動では、上級生のリーダーシップが発揮されるよう活動を工夫し、よりよい人間関係を育てる。
(イ)委員会活動、クラブ活動では、「よりよい学校生活の実現に向けて」、児童の創意工夫を生かし、学校生活における自治的態度の育成を図る。
(ウ)いじめ・不登校の未然防止・早期対応・早期解決を図るために、教職員がいじめや不登校に対する理解を深め、共通認識をもつ。
(エ)学期1回の児童アンケート調査やふれあい月間の児童アンケートを通じて児童理解を深める。
(オ)生命(いのち)の安全教育を学級活動に位置付け、子どもたちを性暴力の加害者・被害者・傍観者にしないための教育を全学年で行う。
(カ)第6学年では、SOSの出し方教育の取組を実施する。
(キ)セーフティ教室では、外部講師を招き、第1・2学年では「不審者対応訓練」、第4学年以上では「SNS安全教室」、第6学年では「薬物乱用防止」をテーマとして児童の危険回避能力の向上を図る。
(ク)1人1台専用タブレット端末の活用に際して、各教科や特別の教科 道徳、総合的な学習の時間との関連を図りながら、「安心・安全・健康・適正」に使いこなすことができる態度や技能の指導を計画的に行う。
(ケ)年6回の「生き方教育」を通して、自分の将来に対して明るい希望と勇気をもてるようにする。特に第5・6学年では、地域人材の活用を通してキャリアプランニング能力の育成を重視する。
(コ)自校給食の利点を生かし、食育リーダーと栄養士が連携した栄養指導や食農指導、委員会の発案による食育の充実を図り、望ましい食習慣の定着や食文化への理解を深める。
(サ)全校で合唱に親しむ機会や合唱団の発表を聴く機会を通して、音楽を愛好する心情や新しい表現に挑戦しようとする態度を育てる。
(シ)特別支援教室と言語通級指導教室の連携による共生理解教育を各学年での実施に拡大し、多様性の理解を推進する。
(ス)「生き方学」による、自ら未来を切り拓く心豊かでたくましい児童を育成する。特に第5・6学年では、地域人材の活用を通してキャリアプランニング能力の育成を重視する。
C家庭・地域との連携
(ア)重点単元として、第3学年では「自然・地域環境」、第4学年では「福祉・防災」、第5学年では「職業的自立(キャリアプランニング)」、第6学年では「魅力ある街づくりの発信」を設定し、西荻の
以上、保護者、地域の皆様と協力し合いながら、地道な教育活動を積み上げ ていきたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。
杉並区立高井戸第四小学校 校長 本橋忠旗
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