令和5年度 園便り

5月 関わる、感じる、育ちあう  副園長 大萩 純子

 コロナ対策が解除されたことからできるようになってきたことの良さが子供園生活の中に、表れてきています。
 入園したばかりの年少組は、入園式後の初日には、とても緊張した表情で登園していましたが、今年は、3年ぶりに門を通った先には、年長組のお兄さんお姉さんが案内役として、年少組の登園を待ち構えていました。
 実はその直前に私が年長組に「ドキドキしてくる年少さんに優しく手をつないで、保育室に連れて行ってあげてね」と話すと、ある年長児は、「どうしてやさしく手をつなぐのかな・・・」と尋ねてきていました。小さい子にはそのようにするもの、と感じていた私は、この質問を聞いて、当の年長組は、年少時はコロナ感染対策の真っ最中のため異年齢の交流活動が制限されており、当時の年長組に同じような案内はしてもらえなかった・・・、また翌年にそのようにしている次の年長組の姿を見る機会もなかった・・・そのことから案内をすることは楽しみにしているけれど、実際にはどのように自分が振舞ったらよいか、分からないんだなと思いました。
 そこで「年少さんのところに行ってみると分かるかもしれないよ」と答えてみました。こうするものです、と話す事より本人が直接感じることが大切と思ったからです。
 その後、実際に自分の目の前に、自分よりとても小さくてかわいらしい年少組の姿を見た年長組は、どの子も思わず自分の背を少し低くして年少児の姿に合わせて優しく手を差し伸べてつなぎ、保育室まで連れて行く姿になっていました。年少組の子どもの方も、お兄さんお姉さんの案内でドキドキが薄れたようでした。一人ひとりが手をつないで、保育室に連れて行ってもらえたことで、ぱっと気持ちが切り替わったようで、そのまますんなりと保育室へ進めていました。そして、年長組の子どもたちは、案内をすることで、お兄さんお姉さんらしい表情になり、「次の子も連れていくよ!」と意欲的な姿へと変わっていました。
 このような異学年との関わりは、ささやかな機会のようですが、大変温かな姿であり、互いにとって言葉では表現できないとても大切な経験であると私は改めて思いました。
 このことに限らずどの学年の幼児も、マスク生活が終わったことによる友達同士の表情を感じる機会や、友達や異学年と触れ合う楽しさを感じる機会が増えてきつつあります。職員一同、その良さを改めて生かしながら子ども同士で感じあい育ちあう機会を大切にしていきたいと思います。 
 保護者の皆様には、今後も本園の教育活動にご協力いただけますよう、よろしくお願いいたします。

5月 年少ことり組

 4月の登園時は保護者と別れがたくて涙が出たり、不安な表情も見られたりしましたが、子供園の生活に少しずつ慣れてきたことで、保育者にも親しみをもち「見て見て〜」や「手伝って〜」などと甘えたり、一緒に楽しい遊びを見つけたりしています。保育者と一緒に繰り返し行っている朝の支度の場面では少しずつ“自分でやってみよう”という気持ちが出てきています。
 今月は、一人ひとりが、安心して好きな遊びや好きな場所で過ごすことを楽しめるように幼児の興味に合わせて環境を用意したり、遊ぶ楽しさに共感したりしていきます。保育室の遊びに加えて、園庭の草花や虫などの身近な自然物に出会う機会をもち、戸外で遊ぶ心地よさも感じられるようにしていきます。

5月 年中うさぎ組

 少しずつうさぎ組での生活にも慣れて、所持品の始末やお弁当の準備、片付けも自分からすすんで行う姿も出てきました。また、じっくりと製作に取り組む姿や園庭や保育室で大きな場をつくって遊ぶ姿など、安心して自分のやりたいことで遊ぶ姿が見られるようになってきました。
 今月は自分のしたい遊びを見つけて、自分で選んだ遊びをじっくりと楽しんだり、保育者や同じ場にいる友達との遊びを楽しんだりできるように援助していきます。また、学級活動を通して、うさぎ組みんなで一緒に過ごす楽しさを沢山感じられるようにしていきます。
 園庭で遊ぶことが心地よい季節になります。園庭の広い場所を使って体を動かすことを楽しんだり、身近な自然に触れたりすることも楽しめるようにしていきます。

5月 年長ぞう組

 ぞう組は、年中組までは使いこなせなかった大型箱積木や砂場のヒューム管等の遊具を使って自分なりに考えて遊ぶ姿や、友達と園庭で思い切り体を動かす姿、花びらなどの自然物を使った色水遊びで色の変化を楽しみながら遊ぶ姿などが見られました。
 今月は、友達と共通のイメージをもって遊ぶ中で、自分の思いや考えを出したり相手の考えを聞いたりしながら、友達と一緒に遊ぶ楽しさを感じられるようにしていきます。
 誕生会の司会やお楽しみの係やお休み調べ、モルモットのお世話等の当番活動では、自分のやることが分かり、自分たちで進める意識をもって取り組めるようにしていきます。
 園生活での経験できることもお友達との関りも盛りだくさんになったぞう組の子どもたちは、楽しかったことや友達とのことをおしゃべりしたいという気持ちも膨らみます。お家では、お子さんの言葉にゆったりと耳を傾けて聴いてあげてください。自分の話をじっくり聴いてもらう経験が自分の「気持ちを表そう!」「相手に伝えよう!」という姿につながっていきます。
 そして、5月は、ぞう組になって張り切っていた姿から疲れが出てくる時期でもあります。保護者の皆様とも連携しながら一人ひとりに寄り添い、支えていきたいと思います。

4月 元気いっぱい!笑顔いっぱい!楽しい高井戸西子供園  園長 川嶋 佳恵

 お子様のご進級・ご入園、誠におめでとうございます。心からお祝い申し上げます。
 高井戸西子供園の令和5年度は、3歳児23名、4歳児23名、5歳児32名、合計78名でスタートしました。
 3歳児は全員が新入園児になりますが、4歳児は、昨年度から在籍していた17名に6名の新入園児が加わったメンバー構成になります。5歳児は、子供園での年長者としての生活が始まります。みんなワクワク、ドキドキしながら新年度を迎えたことでしょう。今年度は、子供園の教育・保育においても子どもたちの行動を制限してきた新型コロナウイルス感染症対策が大きく解除されます。高井戸西子供園の職員一同、力を合わせ、これまで培ってきた教育・保育を土台としながら、コロナ禍の教育・保育の経験を活かしブラッシュアップされた質の高い教育・保育を提供し、子どもたちが園に来ている時間は、楽しくて、面白くて、幸せでかけがえのない時間となるよう、力を尽くしてまいりますので、よろしくお願いいたします。

 高井戸西子供園の教育目標は、自他を尊重し合い、対話する中で、物事に主体的に取り組み、心豊かに生活をする幼児を育成するためにということを基本方針とした、「あそびがすき」 「ともだちがすき」 「じぶんがすき」です。私は、この高井戸西子供園の教育目標が大好きです。それは、シンプルだけれど子どもたちの理想的な姿を表した、なんだかワクワクする素敵な教育目標だからです。今年度も遊びが充実するよう指導や援助を工夫し、『遊びの中の学び』を大切にしながら「あそびがすき」な子どもたちを育て、楽しさや面白さを思い切り感じる中で、友達とのつながりに喜びを感じ、友達と一緒に遊んだり生活をする中で、自他の違いを受け入れあいながら、自尊感情や自己肯定感の高い、自分を大切にできる子どもたちを育てていきます。

 さて、ここで、幼児期に大切なことをお伝えします。
幼児期に大切なことの1つ目は、安定した環境の中で幼児自身が「大切な自分」を実感することです。どうしても字が書けることや計算ができること、大人の言うとおりに動けること等例えば小学校で学ぶことを先取りして「できた」ということを発達、成長と捉えてしまいがちですが、そうではありません。自分は愛されている、認められているという思いが、これからの成長の基礎となります。早くからの競争やその成果を比べることは、自分を信じる気持ちを失うことにもなりかねません。私たちは、一人ひとりの子どもの良さを大切にし、それを伝えて、「大切な自分」という思いを育みます。その育みの中でとても重要な役割を果たすのが、「遊び」です。幼児が目を輝かせながら取り組む「遊び」の中には無限の学びがあるといわれています。その学びがこれから迎える児童期や青年期の基礎となるのです。この時期にしか経験できない、夢中になって遊んだり、試行錯誤して遊んだりして、楽しくておもしろくてたまらない経験を繰り返し、自分の世界を広げていきます。そして、生涯の土台となる人格形成の基礎を身に付け、心豊かな子どもになっていくのです。
 2つ目は、丁寧に生活習慣を身に付けていくということです。これは、大人になって身に付けるのはとても大変です。あいさつや感謝の言葉を伝えること、食事や睡眠をとること、子どもは子どもなりに社会のルールを守ること。そうしたことを身に付けて成長してほしいと思います。しかし、それが強制であっては身に付いていくことにはなりません。友達と共に生活する園生活の中で、保育者が「どうしたら気持ちよく生活できるのかな?」と投げかけ、幼児の気付きを促したり、「こうするとお互いに気持ちいいね。」「こうすると素敵だね。」と共感できる言葉がけをしたりすることで、自分たちできちんとした生活習慣を身に付けていけるようになるのです。この2つの幼児期に大切なことをいつも意識しながら、人生の土台となる人格形成の基礎を確実に育まれるようにしていきます。

 さあ、令和5年度の始まりです。信頼される子供園になるために、園長を始め、副園長、幼稚園教諭、子供園保育士、保育介助員、用務主事、調理用務、朝夕保育補助、一時保育等、総勢27名の職員が、「すべては子どもたちのために」をモットーに「チーム高井戸西」として、一生懸命に子どもたちを見守り、支え、育てていきます。お子様の園生活のことで、少しでも不安を感じたり、育児に悩んだりすることがありましたら、遠慮なく担任や園長に相談してください。保護者の皆様と一緒に考えながら改善策や課題の解決策を探っていきたいと考えております。
 子どもたちも、保護者の方も、子供園の職員も『元気いっぱい! 笑顔いっぱい!』の子供園を目指し、互いに深い信頼関係を築きながら、温かな人間関係の中で、一人ひとりの子どもたちを心豊かに育てていきたいと思います。
保護者の皆様や地域の皆様には御理解・御協力を頂くことも多いと思いますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。

4月 年少ことり組

 入園おめでとうございます。子供園での生活がスタートします。
 子供園で過ごすことを楽しみにしたり、おうちの人と別れて過ごすことに不安を感じたりして、子どもたちは、嬉しさと不安でいっぱいだと思います。子どもたち一人ひとりの気持ちに寄り添い、ゆったりと関わりながら、子供園が安心して過ごせる場になるようにしていきます。
 また、保育者と一緒に、身の回りのことをしたり、好きな遊具や気に入った場所で過ごしたりすることで、園生活の楽しさを感じられるようにしていきます。

4月 年中うさぎ組

 入園・進級おめでとうございます。いよいよ楽しみにしていた「う さぎ組」での生活が始まります。
 進級した子どもたちも、新しく加わった6人の子供達もうさぎ組になってワクワク・ドキドキ、期待と不安でいっぱいだと思います。今月は、子どもたちの気持ちに寄り添いながら、うさぎ組でやりたい遊びを見付けたり一人ひとりが安心して園生活を送ったりして「子供園で遊ぶのって楽しいな!」と感じられるようにしていきます。
 慣れない園生活の疲れから、家では緊張が緩んで、少し甘えたい姿も見られるかもしれませんが、新しい場所で頑張っているのだなと温かく受け止めてあげてください。

4月 年長ぞう組

 進級おめでとうございます。待ちに待ったぞう組の生活にワクワク、ドキドキし、期待に胸を膨らませていることと思います。今月は、自分たちで保育室の使い方や生活の仕方を考え、安心して過ごせるように環境づくりをしていきます。
 進級した嬉しさや張り切る気持ちを受け止め、新しい環境の中で自分のやりたいことや友達と一緒に遊ぶ楽しさをたっぷりと味わえるようにします。また、環境の変化に戸惑ったり緊張したりしているお子さんも、少しずつ自分の生活を取り戻し安心して園生活を楽しめるように支えていきます。
 新入児へのお世話やお休み調べ当番が始まります。保育者と一緒に取り組む中でやり方を知って、「自分たちもできた!」という自信や大きくなったことを感じられるようにしていきます。