令和5年度 園だより

9月 『小学校との連携』  園長 齋藤由美

今年の夏は、本当に厳しい暑さの連続でした。皆さんどのような夏休みを過ごされましたか?いよいよ2学期がスタートします。2学期は、一番期間が長く、様々な行事もあります。子どもたちが大きく成長する時期です。様々な経験を通して逞しく育つことを期待しています。楽しみですね。
さて、成田西子供園では、幼児にとって大きな段差を感じることなく、滑らかに小学校へと接続していくことができるよう、近隣の杉並第二小学校と職員同士の合同研修会や保育、授業参観、意見交換、幼児と児童の交流活動などの取組を通して、相互理解を深め連携を図っています。
1学期は、5歳いるか組が5年生との交流を行いました。5年生に小学校のいろいろな教室を案内してもらいました。5年生は、いるか組の子どもたちに楽しんでもらいたいという思いで、絵本や紙芝居を選んでくれたり、学校案内では、体をかがめ顔を覗き込みながら丁寧に話をしてくれたりしました。1年生の教室の机にも座らせてもらいました。初めは互いに緊張していた子どもたちも、別れる頃には笑顔いっぱいになっていました。この交流をきっかけに、自分は、「〇〇小学校に行くんだ。」「ランドセル買うよ。」と、1年生になる憧れや期待が高まったようでした。5年生も「6年生になったら1年生で会えるのが楽しみ、優しくしてあげたい。」と、年下の子をいたわり入学を心待ちにする声が聞かれました。2学期は4歳ぺんぎん組が4年生との交流を行います。
1学期末の保護者会には、杉並第二小学校の校長先生に、保護者向けに、「入学までにしておくとよいこと」といったお話をしていただきました。入学までを意識し、見通しをもって生活するきっかけとなりました。
夏休みには、杉並第二小学校や地域の就学前教育施設の先生方に子供園にお越しいただき、合同研修会を行いました。講師の先生に、様々な交流活動について実践事例を伺いました。その後、グループに分かれて協議を行いました。職員同士が顔見知りとなり、今後互いの子どもの育ちについて話をするつながりができました。そして、小学校の先生方に、長時間保育の様子を参観していただきました。3歳児の様子を見て「きちんと椅子に座って自分でおやつを食べていますね。」「とても小さくてかわいいですね。」「上手にお話しできるんですね。」など、想像していたより園児がいろいろなことができることを驚いていらっしゃいました。
また、子供園の職員も、入学したての4月と2学期の始まりに小学校の授業の様子を参観しています。子供園を修了した子どもたちが、その後、授業、教科といった環境の中で、どのように過ごしているのか、園での、生活や遊びを通して体験し学んだことを、小学校の生活や授業の中で、どのように発揮し生かしているのかを知り、子供園でどんなことを育てておくとよいのか考える機会としています。
子供園は、「幼児教育」を行うところです。それは、幼児期の学校教育と実質的に同じです。幼児期は、生活や様々な遊びを通して総合的に学んでいます。子どもにとっての学びは、知識の習得ではありません。学びの原動力は、好奇心や意欲、自分で考える、挑戦する姿勢です。周りから見るとわかりにくかったりもします。2学期も子どもたちがドキドキわくわくしながら自分のやりたい遊びを十分楽しみ、たくさんの体験を通して学ぶことができるよう、職員一同力を尽くしてまいります。共に子どもたちの学びや成長を見守り伝え合いながら、育つ喜びを共有していきましょう。2学期もどうぞよろしくお願いいたします。

8月 『親子で楽しむ夏休み』 園長 齋藤 由美

あっという間の一学期が終わりました。子どもたちは、自分のやりたいことを見つけて、伸び伸びと遊び、すくすく育ってきています。日々の子どもたちの成長に驚くばかりです。
さて、明日からは長い夏休みが始まります。お出かけを計画されている方も多いかと思いますが、家庭では、どんな夏休みを過ごしますか?
親子で絵本を楽しむ
 子供園では、毎日絵本の読み聞かせをしています。保護者の方に読み聞かせボランティアにも来ていただきました。ありがとうございました。幼児は、絵本や物語などで見たり聞いたりした内容を自分の経験と結び付けながら、想像したり、表現したりすることを楽しみます。また現実には、自分の生活している世界しか知らない幼児にとって、様々なことを想像する楽しみと出会うことにつながります。自分の知らない世界、想像上の世界に思いを巡らし、わくわく、どきどきして驚いたり感動したりします。悲しみや悔しさなど様々な気持ちに触れ、他人の痛みや思いを知る機会にもなります。親子で絵本の読み聞かせの時間を楽しんでみてください。お家の方が自分だけのために絵本を読んでくれる時間は、何ものにも代えがたい大切な時間です。字が読めるようになっても、お父さん、お母さん方の声で、読んであげることが、素敵なコミュニケーションの時間になります。『こころ』も『ことば』も育つことでしょう。
お手伝いを楽しむ
 先日、4歳の学級保護者会で夏休みに向けて、「どんなお手伝いができるか」というテーマで、グループ懇談をしていました。「洗濯物をたたむのをお願いするけれど、あとからたたみ直すことになります。」「お料理をしたがるので、やらせたいけれど少し怖い気がして・・・。」「お皿をお盆にのせて運んでくれます。」「お料理を一緒にすると、苦手なものを食べてくれます。」「お風呂掃除を楽しんでします。」などなど、家庭で取り組んでいるお手伝いについて出し合っていました。
 子どもたちは、ままごとが大好きです。日頃のお家の方の姿を見て、まねて遊んでいます。お手伝いは、本物に触れ生活のスキルを上げていく絶好の機会です。洗濯をたたむ、拭き掃除をする、お風呂掃除をする、玄関の靴を並べる、家族の食器や箸を並べる、親子で一緒にお料理なども楽しいですね。初めは時間がかかったり、うまくいかなかったりすることもあるかもしれません。でも、お手伝いを頼まれるということは、お家の人に任されているということ、「ありがとう」という言葉をかけられると、「自分は役に立ったんだ」「必要とされている」という気持ちがもてるようになっていきます。お手伝いも親子で一緒に楽しい時間になるように取り組めるとよいですね。
自然を楽しむ
 散歩に出かけてみるのもよいですね。善福寺川沿いでは、夜から朝にかけて、あちらこちらでセミが羽化をしています。生まれてくるセミは、とても神秘的で美しいです。他にもいろいろな虫や生き物、植物に出会えるかもしれません。また、夏の空を見上げてみると、真っ青な空、入道雲、夜空には、星や月も見えます。
自然との出会いは豊かな感情や好奇心を育んでいくことでしょう。
他にもプール、花火、栽培、料理、触れ合い遊びなどなど、親子で夏ならではの体験をたっぷり楽しんでください。
1学期も、子供園の教育保育にご協力をいただき、ありがとうございました。