令和5年度 園だより

11月  『自分のことが好き!〜自己肯定感を育む〜』 園長 齋藤由美

 運動会では、大勢のお家の方に声援をもらい、子どもたちはのびのびと楽しく運動会を終えることができました。どの子もみんな、杉並第二小学校の広い体育館を元気いっぱいのびのびと動き回り力を発揮していました。運動会後のアンケートからも子どもたちの成長を喜ぶ声が多くありました。各保育室で、担任からアンケートを読んでもらい、みんなとても嬉しそうでした、子どもたちにとって、大きな喜びと自信につながり、さらに一段とたくましく成長したように感じます。ありがとうございました。
 運動会後も、他学年から刺激をもらい、楽しんでいる姿が見られます。岩の陰に隠れた年少組の子どもたちが「先生、海賊かけて!」とお願いし、年長組のリズムの曲が流れ前奏が終わると5人も子どもたちが一斉に岩から飛び出し、側転を始めました。見事に曲想を捉えていて動きもぴったり!年長児の姿を見て、「かっこいいな。」「あんな風にやってみたい。」と感じていたのでしょう。そくてんをしたあとは、どのこもみんな「どうだ!」「すごいでしょう!」といった満足そうな表情で、職員からは大拍手をもらっていました。
 さて、『自己肯定感を育てる』という言葉をよく聞きます。自己肯定感とは、ありのままの自分でよい、自分が好きと思える感覚のことです。日本人は外国人に比べて自己肯定感が低いというアンケートの結果が出ています。自己肯定感が高く、自分のことが好きで、自信をもっていると、自分のことを自分で考え、やりたいことに向かうことができたり、人と比べるのではなく、人との違いを受け入れることができたりします。周りの人との違いも肯定できるため、人にやさしくでき、人との関わりも円滑に行うことができるようになります。そして、失敗したり困難なことにあったりしても、諦めずにまた頑張ろうという気持ちがもてるようになります。自己肯定感は、自信がないから低いというわけではありません。自信がないことでも繰り返し諦めずやってみようという心が育っていることが大切です。この心の育ちは、これから何十年生きていく上での一人一人の力となっていきます。
 では、どうしたら自己肯定感が高くなるのでしょう。一番大切なことは、周りの人から、できることもできないことも含めて、「あなたはそのままでいいよ」と認められている安心感をもっていることです。そのためには、自分のしていることを褒めてもらえる、失敗しても怒られたり正論で攻められたりするのではなく、気持ちを受け止めてもらえ、次に向かっていくことのできる励ましの言葉がもらえる、そんな大人との関わりがとても重要です。また、ありのままでよい、というのは、してはいけないこともありのまま受け止めていく、というわけではありません。「私はこう思うよ。」と伝えていくことも必要です。
 自己肯定感のもとは、「自分は大切にされている」、「愛されている」という思いです。「愛しているよ」という言葉をかけるということではありません。心をかけてあげることで子どもは「愛されている、自分は大事な存在なんだ、何があっても守ってもらえるから大丈夫」と思えるようになります。
 やる気に満ち溢れ、ワクワク感いっぱいの今、一人一人の心の成長を支え、“自分のことが大好きな子どもたち”を育てていきましょう。自己肯定感が高いと、大人も子どもも生きていく上で幸せを感じることができます。子育てを頑張っている保護者の皆さんも、子育てが大変な時、疲れた時は、頑張っている自分を褒め、ゆとりをもつなど、自分自身を大切にすることも忘れないでくださいね。

10月 『遊びから行事へ』  副園長 大塚 玲華

2学期が始まり、子どもたちは毎日元気いっぱい遊んでいます!
2学期には、運動会や4・5歳児はこどもかいと大きな行事があり、保護者の皆様にも参観していただきます。今から楽しみですね。
さて、「行事」と聞くと、どんな子どもたちの取り組みの姿が目に浮かびますか?保護者の方に観ていただく日までに完成するように、保育者が毎日することを示して、子どもたちが日々練習を積み重ねていく…という姿でしょうか?また、遊びの時間とは別に、運動会のための練習の時間があることも想像するでしょうか?
子供園では「行事があるから、練習をしよう!」と、そのためだけの時間をとる、ということをしません。毎日子どもたちが夢中になって遊んでいることが、自然な形で行事につながるようにします。なぜならば、毎日の遊びの中で、子どもたちは様々なことを経験し、たくさんのことを学んでいるからです。そして、遊びは、子どもが「やりたい!」と自分から意欲的に取り組むもので、「楽しい!」と感じられるものだからです。子どもが自ら取り組み、楽しさを感じ、その中で学び、成長している姿を見ていただくのが、行事の日です。10月の運動会も同じです。
今、子どもたちは、遊びの中で踊ること、走ること、巧技台の場で体を動かすこと、海賊ごっこをすること、何かの生き物になること、魚を作ったりすることを毎日楽しんでいます。そのような姿を受け、今年度の運動会のテーマは「めざせ!たからじま」になりました。各学年、海賊やにじいろの魚、タコなどの海の生き物になって表現をしたり、宝島を目指して競技をしたりする予定です。
毎日の充実した遊びが運動会につながっていくように、保育者は、子どもたちが興味をもっている踊り、海賊、魚、走るなどの体を動かすことをもとに、様々な遊びの環境を考え、用意しています。宝島の地図、新たな踊りの曲、かけっこやリレーができる場所、海賊ごっこに必要な宝や船、様々な生き物になるための身につけるものなどが作れる素材や遊具などです。子どもたちは、遊びの中でこれらの環境に自ら関わり、友達とリレーをしたり、巧技台を自由に組み合わせて体を動かすコースを作ったり、踊ったり、宝島のイメージを膨らませて海賊船を作って乗ったり、魚釣りをしたりしています。そして、より遊びが楽しくなり、繰り返し取り組んでいます。繰り返し遊ぶ中で、子どもたちが様々に体を動かすこと、作ったり、動いたりして表現すること、友達や先生と一緒に動くこと、年長児は友達と相談したり、力を合わせたりすることを経験できるようにしていきます。
子どもたちが興味をもって繰り返し遊び、その中で経験したことが、運動会当日のかけっこやリレー、海賊や海の生き物が出てくる踊りなどの表現や競技、大道具や、身につけるものなどの製作物になります。
お子さんと話すときに、「今日はどんな運動会の練習をしたの?」ではなく「今日はどんなことをして遊んだの?」と聞いてみてください。毎日の遊びがどのように運動会つながっていくのか、感じられるかもしれません。毎日掲示している、遊びの様子の写真や、学年だよりなどでも、子どもたちの遊びが運動会へつながっていく様子をお知らせしていきます。是非お読みください!