令和5年度 園だより

3月 「げんきな子 かんがえる子 自分も人も好きな子」 園長 齋藤由美

 令和5年度も残すところあとわずかとなりました。子どもたちは、毎日、園のあちらこちらで、時間が足りないといわんばかりに、友達や保育者と園での遊びを楽しんでいます。
 年少らっこ組の子どもたちは、先日こどもかいを行いました。一人ひとりがのびのびと自分を表現できるようになり、笑顔でお家の方に、劇遊びや楽器遊びを披露することができました。お家の方からも笑顔でたくさんの拍手をもらい、大喜びでした。
 年中ぺんぎん組の子どもたちは、いろいろなことを自分の力でする楽しさや友達と一緒にする喜びも感じられるようになってきました。最近は、年長組とお休み調べ、モルモットの世話、誕生会の司会などの引継ぎなどをしながら、年長組になる期待に胸を膨らませています。
 年長いるか組は、今年度最後の研究保育を行いました。遊びの様子を、職員で記録し、子どもたちが楽しんでいることや経験していること、心を動かしていることなどについて、分析、考察を行いました。そして、子どもたちの遊びが充実するためのよりよい環境や援助などについて話し合いをしました。講師の河邉貴子先生からは「どうしたら子どもたちがこんなによく遊ぶように育つのかしら。」というお言葉をいただきました。子どもたちが、友達と「やりたい」と思っためあてに向けて、「こうしたい」という一人ひとりの思いを友達と伝え合いながら、試行錯誤しやり遂げていく姿をたくさん見ることができました。
 メリーゴーランドでは、馬や馬車が中央の支柱と一緒に回るように仕組みを考え試行錯誤したり、コーヒーカップに年下の友達を呼ぼうと準備をしたりしていました。おばケーキ屋では、細かく工夫して作られた個性豊かな楽しいおばけケーキが並べられ、暗闇にお客さんが集まっていました。お客さんを呼ぶための準備や関わり方なども周りの状況を見ながら、お客さんが楽しめるようにと考えて動く姿がありました。遊びに来た年少、年中組の子どもたちは、目を輝かせながら年長組の遊びを体験していました。自分で見たり体験したりして楽しかったことは、きっとこれからの自分たちの遊びの中で再現していくことでしょう。
 子供園で毎日、たくさん遊ぶ中で、自分でやってみようとワクワクドキドキしながらいろいろなことに取り組む中で主体性が育ち、やりたいことに向かってこうしてみよう、こうしたらどうかなと、自分たちで考えていく楽しさが感じられるようになってきました。そして、うまくいかなくても諦めず繰り返し試したり、挑戦したりしていく力や友達と力を合わせる楽しさなどが、しっかりと育ってきているのを感じました。
 今年度も保護者の皆様に支えていただき、無事1年を過ごすことができました。心より感謝いたします。
 教育目標「げんきな子 かんがえる子 自分も人も好きな子」に育ってきた子どもたちです。この1年の成長をしっかりと受け止め、一人ひとりが自信をもって、就学、進級へ進めるようにしていきます。いつも温かい愛情で子どもたちを見守り、園の運営にご協力をいただき本当にありがとうございました。

2月 『自分の命を守る』 副園長 大塚 玲華

 年明けに石川県能登半島で大きな地震がありました。日を追うごとに、被害の大きさが明らかになってきています。そして、被災した方々が避難所や、不便な環境の中での生活を送っていること、被災する中で、様々な辛いことを目の当たりにし、苦しく悲しい気持ちがずっと続いていることを考えると、心が痛みます。

 災害は、予定でわかるものではなく、いつどこで起こるかわからないものです。いつどこで、どのようなことが起こるかわからない災害が起きた時に、迅速に、そして安全に、少しでも状況に応じた行動ができることが、自分の命を守ることにつながります。
 子供園では、年間を通して避難訓練を計画し行っています。これらは、毎月様々な想定で行われます。地震なのか、火事なのか。子どもたちが集まっている時間帯なのか、それとも様々なところで遊んでいる時間帯なのか。保育室、園庭、ホールなど、どの場所に子どもがいる時なのか。また、職員は、それぞれがどの場所、位置にいる時なのか。
これらの状況が違えば、避難経路も避難場所も違ってきます。また、保育者一人一人の役割も違ってきます。
様々な想定で行うことで、どのような状況で災害が起きても落ち着いて考え、行動できるようにしています。このことは、保育者だけではなく、子どもたちにとっても同じことです。
毎月避難訓練を行う中で、子どもたちは放送が鳴ったらすぐにしゃがみ、放送や近くの保育者の話を静かに聞き、状況に応じて頭を守ったり、口をハンカチで押さえたり、防災頭巾を被り、避難するべき場所に速やかに移動したりするなど、真剣に行動する姿が見られるようになっています。
また、避難訓練では、火事や地震を想定した災害だけではなく、不審者が来たという想定での訓練も行われます。
これらの避難訓練を行った後には、必ず職員間で振り返り、反省を行います。実際に行ってみて、子どもたちに危険が及ぶ状況になりそうな場面があったか捉え、あった場合はその状況を回避できるように、避難場所、避難経路、保育者の行動や子どもたちへの指示の出し方、訓練前や訓練後に子どもたちにどんなことを話すかなどを再考し、今後の避難訓練に反映させ、より良い計画のもと、訓練が行えるようにします。
避難訓練のほかに、毎日の園生活の中でも、危険な遊具の使い方、遊び方、人との関わり方など、子どもの姿に応じて保育者がどうして危険なのか、理由を伝えながら、指導をしています。なぜなら、日常生活の中でも、自分で安全、危険を判断し、行動することができるようになってほしいからです。

 様々な想定での避難訓練や、日々の園生活の中での体験を通して、職員だけではなく、自分の命を守るために、子どもたち自身も自分で考え、状況に応じた安全な行動ができるようになってほしいと考えています。