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令和6年度 園だより
やってみたい・こんなふうにしたい・もっとこうしてみよう と心を動かして遊ぶ 園長 齋藤 由美
運動会“宇宙オリンピック”では、子どもも大人も、一緒に体を動かし楽しむことができました。アンケートからもお子さんの育ちを感じながら、保護者のみなさんも一緒に宇宙の世界を楽しみ運動会を支えていただいた様子が伝わってきました。ご協力ありがとうございました。
運動会を終え、らっこ組の子どもたちは、周りに目が向くようになり、楽しそうな遊びが始まると、多くの幼児が自分も“やってみたい”と取り組む姿が見られます。自分で思いついたものを作って身に着けたり、手に持ったりして参加していきます。同じ場で一人ひとりが思いのままに自分を表現し、その各々の楽しさを保育者が受け止め共感することで、さらに“もっとやってみたい”という気持ちにつながっていっているようです。
ぺんぎん組の子どもたちは、運動会の取り組みを通して、学級の中で“自分もできる”“自分もみんなと同じようにできる”といった自信をもったようです。年長児のように“自分もあんなふうにやってみたい”という憧れの気持ちが高まってきています。「私、年長になったらヒーローになってみんなを助けるんだ。」「ブラックホールもかっこいい。」など宇宙オリンピックのリズムを通して、年長になった自分を思い浮かべワクワクしています。年長児がハロウィンごっこを始めると、同じようにまねて遊び始めたり、年長児の遊び場へ出かけては、刺激を受けて自分たちの遊びに取り入れ、作ったりかいたり踊ったりなど、様々な方法でやりたいことを表現しています。
いるか組の子どもたちは、運動会後も何度もリレーをしています。走るたびにどの子も真剣さが増し、チームのために自分の力を精一杯出す姿に成長を感じます。運動会後も友達と新たなめあてを見つけ、考えを出し合ったり、もっと面白くしたいと友達と試行錯誤したりしながら遊んでいます。友達との遊びの中でも“自分はこんなふうにしたい”という思いに向けて取り組む姿も見られます。
どの学級のどの子も日々ワクワクした気持ちで心を動かしながら、“やってみたい”という思いをもって遊びに取り組み、“こんなふうにしたい”“もっとこうしたい”と次のめあてや課題を見出しながら遊びに取り組んでいます。遊びを通して幼児期に大切なことをたくさん学んでいます。
さて、成田西子供園では、令和5・6年度 杉並区教育委員会研究課題研究指定園、研究課題「幼児期に育みたい資質・能力」に関わる研究として、11月15日に研究発表会を行います。
講師には、聖心女子大学 教育学科教授 河邉 貴子先生をお迎えしご講演いただきます。
幼児期の遊びの中には、たくさんの学びがあります。子供園では運動会後の子どもたちの遊びの姿のように、毎日、ワクワク心を動かしながら遊び込むことのできる保育の充実向けて、今後も保育者自身の学びを深めてまいります。
保護者・地域の皆様には、引き続き園の教育保育へのご理解・ご協力をどうぞよろしくお願いいたします。
遊びを通して体を動かす 副園長 大塚玲華
2学期が始まり、そらグループ、おひさまグループ全員での保育が再開されました。子どもたちは毎日元気いっぱい、様々な遊びを楽しんでいます。
先日、年長組ではスケートボードごっこが行われていました。夏に行われたオリンピックのスケートボードに刺激を受けた子が、車輪がついたブロックに板状の段ボールを乗せ、スケートボードにして滑ってみる、というところから遊びが始まったのですが、2学期に入り仲間も増え、少しずつ遊びが変化していっていました。「まっすぐ滑る」コースだけではなく、「ジグザグに滑る」「坂道を上がる」「坂道を下る」「区切られた細い道を滑る」など様々なコースができていました。そして、スケートボードには、それぞれオリジナルのデザインが施され、手作りのヘルメットまで着用するようになっていました。子どもたちは、自分のアイテムを身に付け、繰り返し様々なコースを滑ることを楽しみ、滑り切ると手作りの金メダルをさげる姿がありました。
こうやってオリンピックやパラリンピックという刺激を受け、子どもたちが遊びとして取り入れている中には、様々な経験が含まれています。スケートボードやヘルメット、金メダルなど、遊びに必要なものを工夫して作ることや友達との関わりはもちろん、体の動きとしても様々なことを経験しているようです。例えば、片足は地面を蹴り、もう一つの片足でバランスをとってボードに乗る動き、そして様々なコースができたことで、進む方向をコントロールしたり、スピードをつけたり、コースが複雑になったことでボードから落ちないように一層バランスに気をつけて乗ったり・・・という動きも経験するようになりました。これらの動きは、子どもたちの「もっと遊びを面白くしたい!」「楽しいからもっとしたい!」という思いをコースや遊び方という形に変えていくことで引き出されたものです。きっと大人側から「今日はこの動きを練習しよう」と提示されたのだとしたら、こんなに様々な動きは経験できなかったかもしれないし、子どもたちも自分から繰り返ししようとすることにつながらなかったかもしれません。
文部科学省から出ている「幼児期運動指針」には、幼児期の運動について、次のような内容が書かれています。
・幼児期は、運動機能が急速に発達し、多様な動きを身につけやすい時期である。そのため、幼児期に多様な動きを身に付けていくことができるようにすることが大切である。
・多様な動きを通して、子どもたちはタイミングよく動いたり、力の加減をコントロールしたりするなどの運動を調整する能力が高まっていく。
・子どもが自らする遊びの中で体を動かす楽しさや心地よさを感じ、その上で多様な動きを身に付けていくことが大切である。
・幼児期において、体を動かす遊びを中心とした身体活動を十分にすることは、基本的な動きを身に付けるだけでなく、生涯にわたって健康を維持し、積極的に活動に取り組み、豊かな人生を送るための基盤づくりとなる。
つまり、遊びを通して体を動かすということは、自分からやりたいと繰り返し取り組む意欲を育て、楽しみながら多様な動きを身に付けていくことにつながるということです。
スケートボードごっこのように、日々子どもたちが遊びを通して、楽しさを感じながら様々に体を動かし、多様な動きを身に付けられるように、保育者は様々な環境や援助の工夫を行なっています。
10月の運動会でも、そうやって日々子どもたちが遊びを通して体を動かす楽しさや、様々な動きを経験している様子をご覧いただけるかと思います。楽しみにしていてくださいね。