校長室より
第19代校長 関田 誠
大宮中精神 『優しさをもって、夢に向かって挑戦する若者であれ』
米国の小説家のレイモンド・チャンドラーは、自らのハードボイルド探偵小説の中で、主人公にこんな言葉を吐かせています。
「タフでなければ生きていけない。優しくなくては生きる資格がない」
(If I wasn't hard, I wouldn't be alive. If I couldn't ever be gentle, I
wouldn't deserve to be alive.)
私の好きな言葉です。
私は着任以来、大宮中の生徒に語り続けていることがあります。それは、『優しさをもって、夢に向かって挑戦する若者であれ』ということです。
『優しさ』とは何か。優しいとは人に親切にするという意味ではないと、私は考えています。優しいという字は、『人偏に憂う』と表します。憂うとは、人に何か良くないことが起こりそうで気にかける、つまり人の辛さや悩みを想像できることです。ですから、他の人を(自分に対しても)励ますことも優しさであり、時には厳しさを求めることも優しさです。大宮中をそんな『優しさ』のあふれる温かな学校にします。
『挑戦』というタフで力強い気構えは、大宮中生に求めたい精神(スピリッツ)です。中学校三年間は約1000日です。漠然とした目標のない毎日を、ボーっと過ごしても1000日は過ぎます。どうせ中学校生活を過ごすならなら、大宮中生が自らの夢や志を育み、その実現のために行動する1000日を過ごしてほしい。困難なことに挑戦すれば、上手くいくことは少なく、失敗や挫折ばかりと不安になるかもしれません。では『挑戦』の反対は何でしょう。答えは『何もしないこと』。自分への挑戦をしない毎日の三年間、1000日には、心躍るワクワク感はありません。得意なことを磨く挑戦、苦手意識のある高い壁への挑戦、つまり『なりたい自分への挑戦』です。大宮中を『常に挑戦する若者』であふれるワクワクする学校にします。
こんな大宮中をつくるのが私の夢です。私は優しさをもって、夢に向かって挑戦する校長でありたい。大宮中の教職員にも同じ精神を求めています。願わくば保護者の皆さまにも……。
大宮中の学校づくりにご理解をいただき、熱い応援をよろしくお願いいたします。