令和3年度 園便り

3月 大きく羽ばたけ子どもたち   園長 川嶋 佳恵

 2月20日に北京オリンピックが閉幕しました。連日、選手の活躍にドキドキ、ワクワクし、気に入った競技を話題にしたり、遊びの中に取り入れて楽しんだりする年中・年長組だけでなく、年少組の子どもたちでさえ、目を輝かせながら選手たちの活躍を知ってる自分をアピールする様子が見られ、とても微笑ましかったです。
日々努力を積み重ね頑張ってきた選手たちの挑戦や輝く姿を見て、自分もがんばろうと思えたり、あんなふうになりたいなぁと憧れたりしながら大きくなっていけると素敵だなと思います。3月4日からは、パラリンピックが始まります。こちらも楽しみですね。

 さて、園庭では、木々の芽が大きくふくらみはじめ、春の到来の足音が確実に近付いています。早いもので、あと3週間で年長組は修了式、あと4週間足らずで年中組と年少組は、終業式を迎えます。
今年度も、新型コロナウイルス感染症の流行で、常に感染対策や、感染予防と共にある子供園での生活でした。私たち職員は、令和2年度のコロナ禍での教育を踏まえ、感染対策を徹底しながらできる限りみんなが同じ空間で生活し、遊びの中で学びを掴み取っていく高井戸西子供園の教育・保育を実現していけるよう形を変えたり、工夫したりしながら尽力してまいりました。そして、子どもたち一人一人が大きくなったことを実感できる今があります。

 年少ことり組の子どもたちは、19人の集団の中で、空き箱や空き容器を使ってそれぞれが思い思いのものを製作したり、ごっこ遊びをしたり、砂遊びをしたり等思う存分に遊び、のびのびと自分を出したり、自分なりに一生懸命考えながら遊びに取り組んだりするようになりました。これらは、周りの友達の姿を見たり、みんなで一緒に遊んだり生活したりする中で様々なことを学んだ結果だと思います。
 年中うさぎ組の子どもたちは、24人の集団の中で、たくさん刺激し合って、友達と関わり合って、もまれ合って経験の幅が広がりました。外遊びが大好きなクラスで、友達と一緒に園庭で鬼ごっこをしたり、砂遊びをしたり、何かの役になり切ってごっこ遊びしたりして思い切り遊びを楽しむ中で、自分に余裕が出てきて、周りの困っている友達を思いやる姿も見られるようになってきました。個性豊かな仲間たちのちがいを受け入れ合いながら様々な感情体験を繰り返す中で芽生えた愛情や思いやりの気持ちは、今後も大切にしていきたいと考えます。
 年長ぞう組の子どもたちは、いよいよ修了の時を迎えます。3歳、4歳だった子どもたちが、子供園に入園するということは、自立への第一歩を踏み出すことでした。大きな学級集団や新しい環境に不安になった子や圧倒された子もいたことでしょう。しかし、どんなことにも夢中になる好奇心いっぱいの子どもたちは、友だちと一緒に、試行錯誤しながら何気ない遊びを感動や喜びに変えてしまう遊びのスペシャリストでした。そして、自分の目で見て、耳で聞き、手で触り、様々な遊びや生活体験を積み重ねながら、自分の世界を広げ、心豊かな子どもに育ってきました。その様な子どもたちの成長ぶりは、日常の園生活の中でも、手にとるように分かります。そして、今、新しい世界へ一歩踏み出そうとしている子どもたちは、とてもたくましく見えます。きっと、修了証書も胸をはって受け取ることでしょう。ぞう組の子どもたちには、高井戸西子供園で培った自信と誇りをもち、たくさんの先生たちから学んだことを心の礎として、また、どんな時でも「自分らしさ」を大切にそして、友達の「らしさ」も大切にすることを忘れずに大きく羽ばたいてほしいと願っています。

 最後になりましたが、私たちが、コロナ禍においても高井戸西子供園の質の高い教育・保育にこだわり、子どもたちのために尽力できたことは、ひとえに保護者の皆様の深い御理解・御協力のおかげと心より感謝いたします。これからも職員一同、子どもたちの幸せと成長を願い、保護者の皆様とともに就学前教育の充実に努めてまいります。

3月 年少ことり組

 劇ごっこを経験し、みんなで一緒に表現する楽しさを感じたり、友達と一緒に遊びたい気持ちが強くなってきたりしています。友達との関わりが広がり、自分の思いをたくさん表しながら同じ場で遊ぶ中で、友達と一緒にいることを楽しんでいる姿が見られます。
 今月は、好きな遊びを十分に楽しみ、満足感を味わいながら、残りのことり組での生活を楽しんでいきます。ぞう組とお別れする寂しさとお祝いする気持ちを感じることができるようにします。また、自分たちが進級して、新しい部屋で過ごすことや新しい友達が増えることを楽しみにし、期待がもてるように過ごしていきます。

3月 年中うさぎ組

 年長組への期待感をもち、少しずつ「ぞう組になるんだ」「大きくなったんだ」と自分たちの成長に嬉しさを感じ始めています。ぞう組とのお別れに向けて、いろいろなことを教えてくれたぞう組に感謝の気持ちをもてるようにしていきます。
 今月は好きな遊びを十分に楽しみながら、残りのうさぎ組での一日一日の生活が充実していくようにします。一人一人が自分のしたい遊びを見付けて友達と一緒に遊び、やりたいことに向かって考えたり工夫したりできるようにします。
 友達と遊ぶ中で、感じたり、考えたりしたことなどを自分なりに言葉や動きで表現したことを友達に受け止めてもらう喜びを感じられるようにしていきます。

3月 年長ぞう組

 子どもたちは、修了式を前に、子供園で楽しかったことや、頑張ったことなどを思い出しながら、友達との遊びや毎日の生活を思う存分楽しんでいます。また、お別れの歌を歌ったり、修了製作を作ったりする中で子供園生活が残り少ないことを感じています。
 修了式への取り組みでは、心を落ち着かせて良い姿勢で話を聞くこと、友達と気持ちを合わせて、自分たちが子供園で大きくなってきたことを言葉や歌にすることなどを繰り返し経験できるようにします。一人一人が、毎日を大切にしながら、みんなで一緒に過ごして楽しかった、みんな大きくなったということを感じながら、自信をもって小学校生活に進めるようにしていきます。

2月 非認知能力を育む   副園長  川副 園美

 1日の最高気温が10度を下回る日が続いていますが、子どもたちは元気いっぱい遊びに取り組んでいます。遊びの様子を見ていると、年度の初めにお伝えした、それぞれの学年の目指す姿に近づいてきており、成長を感じています。子供園の教育は、与える教育ではなく、引き出す教育です。担任や職員が、幼児一人一人の思いや、やりたい気持ちを丁寧に読み取り、かかわってきたことの成果でもあると感じています。

 さて、みなさんは“非認知能力”という言葉を聞いたことがありますか?幼児教育界では、少し前から話題になっている言葉です。2000年にノーベル経済学賞を受賞したジェームズ・ヘックマンが行った「ペリー就学プロジェクト」で「幼児期に非認知能力を身につけておくことが、大人になってからの幸せな生活や経済的な安定につながる」という結論が導かれました。この研究が就学前教育の充実と非認知能力という言葉を広めたきっかけです。
 非認知能力には、自分に関する力(自尊心、自己肯定感、自立心、自制心、自信など)と、人とかかわる力(協調性、共感する力、思いやり、社交性、道徳性など)があると言われています。IQやテストのように数値化できる認知能力に対し、目に見えない感情や心の働きのように数値化しにくい分野の能力で、心の土台になるものです。乳幼児期にこの土台を作っておくことで、人生を楽しむための価値観が身につくとともに、小学校以降の学習につながるとも言われています。
 では、子どもたちは、どのように非認知能力を身につけていくのでしょう。非認知能力は学ばせるというよりも、子ども自身が遊びの中から学んでいくもので、夢中になって遊ぶ中で試行錯誤しながら身につけていくものです。ひらがなが読める、足し算ができるなどの、達成度が明確なものではなく、子どもが面白がって取り組めたという体験が大切です。また、子どもが失敗を恐れずに向かっていけるように、周りの大人が、先回りをせずじっくり子どものすることを見守っていくことで育まれていきます。
 子供園の先生たちが保育の中で気をつけている「夢中になって遊ぶことのできる環境を用意する」「自分で選んで決める経験を大切にする」「できたことを一緒に喜ぶ」「小さな失敗を自分で乗り越えられるように見守る」「指示、命令ではない言い方をする」「他の子と比較しない」などはご家庭での子育ての参考になるのではないでしょうか。
 今、身につけておきたい非認知能力を、園とご家庭とで協力して育んでいくことで、子どもたちに豊かな未来を保障していきたいですね。

参考文献:古市憲寿策 『保育園義務教育化』(小学館)
引用:NHKすくすく子育て ホームページ

2月 年少ことり組

 他の幼児と同じ動きをしたり、同じものを作ったりすることに嬉しさを感じ、一緒に遊びたいという気持ちも見られるようになっています。
 今月は、したい遊びの中で何かになりながら、自分の思いを動きで表しながら遊ぶことを楽しめるようにします。また、一緒に遊ぶことが心地よいと感じられるように、子ども会では、みんなで動いたり、歌ったりして、一緒に活動する楽しさが経験できるようにします。
 憧れの年長児とのお別れが近いことを知り、修了をお祝いする気持ちを形にして届けられるようにします。また様々な機会に、自分たちの成長した姿を知らせながら、自分たちももうすぐ進級するという嬉しさや期待感をもてるようにしていきます。

2月 年中うさぎ組

 今月は繰り返し歌ったり合奏したりする中で、友達と音楽に合わせて楽器を鳴らす楽しさや友達とリズムが合う喜びが感じられるようにしていきます。
 友達と一緒に遊ぶことが楽しくなっています。友達に、自分の気持ちや思いを伝えて遊ぶ楽しさを感じられるようにしていきます。年長組からお休み調べの引継ぎが始まっています。遊びの中でも年長組との交流が出てきました。ぞう組への憧れの気持ちや期待感をもてるようにしていきます。また、自分もできたことを喜び、大きくなったことを感じられるようにしていきます。
 「お別れ会」「たかにしコンサート」と、学級で取り組む活動が増えていきます。学級の中で自分の力を出しながら、学級のつながりを感じて楽しめるようにしていきます。

2月 年長ぞう組

 今月は、いろいろな楽器に触れ、音色や曲想を感じながら、学級のみんなと気持ちを合わせて合奏をしたり、歌ったりする楽しさが味わえるようにします。また、自分の好きな楽器を選んで繰り返し取り組み、自信をもって演奏する中で達成感や満足感を味わえるようにします。
 子供園生活もあとわずかです。今まで楽しんできたことやできるようになったことなどをみんなで振り返り、心も体も大きくなってきたことを感じ合いながら、修了式に向かえるようにします。
 年中組へ誕生会の司会やおやすみしらべの引き継ぎを始めました。相手のことを思いやりながら接したり、関わりの中で自分たちの成長を感じたりすることができるようにし、学級や園の友達とのつながりがより深まるようにしていきます。