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令和4年度 園便り
7月 3年ぶりに園内で親子で遊ぶ、温かな姿に触れて 副園長 大萩 純子
5月、6月の土曜日に、各学年の行事『親子で遊ぼう』が開催できました。コロナ禍となってからは、感染症予防対策のため、この2年間は、中止にせざるを得なかった行事が3年ぶりに再開できました。そして当日は、どの学年も温かな親子の姿が見られたことは、職員一同、うれしい気持ちでいっぱいになりました。実現できたことは、日ごろから保護者の皆様が感染症予防にご協力いただきながら園の教育活動を支えてくださったお陰と感謝申し上げます。
高井戸西子供園では、以前から、1学期の行事『親子で遊ぼう』を子どもたちが子供園での生活に慣れて入園や進級の緊張感が薄れてきた頃に開催することで、保護者の皆様には子どもたちが子供園で親しんできている室内環境や遊びの様子を見たり感じたりしていただけるとともに、子どもたちにとっては、自分たちの生活の場に保護者の方と一緒に過ごせるうれしい時間が共有されることを願って開催していました。また、日頃、ご家庭ではなかなか経験できないことを、親子で触れ合いながら遊ぶ機会をもつことで、「子供園で遊んで楽しかった」「家庭でも、こんな触れ合いができるかもしれない」と感じていただけることを、対象学年の様子に合わせて実施して参りました。
今年度は、まだ感染症予防も配慮しながらの内容ではありましたが、どの学年も、子どもたちは個々のペースで遊びを選びながら“自分からやってみたい”、“親子だからこそ楽しい”、“いつも楽しんでいることをおうちの方と一緒にしたらもっと楽しい”といった笑顔でいっぱいでした。保護者の皆様からは、今までゆっくりと園内に入っていただく機会がなかった分、園内を改めて見ていただきながら、子どもたちの遊びの楽しさに共感していただいているご様子が感じられました。当日の降園時に門を出た後にも「楽しかったね」と微笑みながら親子の会話が弾んでいる様子を拝見し、再開できて本当によかったと思いました。
また、先週は未就園児の会“ひよこグループ”も3年ぶりに再開できました。本園のホームページにて、事前にお知らせしたところ、開催前にもお問い合わせのお電話を数件いただきましたし、当日の会場は、かわいいかわいい2歳児の親子さんで、とても賑わいました。
本園職員が予想した以上のその賑わいに、地域の未就園児を育てている保護者の皆様が本園の未就園児の会“ひよこグループ”開催を楽しみにしていただいていたことを実感しました。今後、改めて地域の子育て支援に貢献できるように努めて参ります。
さて、コロナ禍になってから、小学校1年生に入学した子どもたちが、入学した初対面からマスクをしているので「友達の顔が分からない」、「友達の気持ちが感じられない」といった姿が見られると、小学校の先生から伺ったことがありました。マスクがあることで、近くにいても友達の顔の全体を見る機会が少ない、そして“楽しい”、“いやがっている”、“つらそう”などといった感情表現も見たり感じたり、察したりする機会が激減しているということです。このことは幼児にとっては小学生以上に大きな問題だと感じていました。
マスク着用を一律に求めなくなった今、園内に集った親子の姿に見られたような温かな気持ちや、様々な自分の気持ちを表すこと、相手の思いを知ることや互いを大切に思うこと等を、子どもたちが幾たびも経験し、心豊かになっていけるように支えていきたいと思います。今後も、ご協力のほど、よろしくお願いいたします。
7月 年少ことり組
今月は色水や泥遊びなどで水を使って遊ぶ楽しさを感じたり、水遊びやプールで水の冷たさや気持ちよさを感じたりすることを思い切り楽しみます。また、学級で育てている夏野菜を収穫する喜びや、野菜の美味しさを感じられるように計画していきます。
生活面では、着替えの機会が多くなります。繰り返し、着替え方を伝えていき、自分でやってみようと思えるように援助していきます。
暑い日や水遊びをした後は、疲れも出やすくなります。子どもたちが子供園で元気に遊べるように、ご家庭では食事のバランスや、早寝をして十分な睡眠をとるなどのご協力を、引き続きよろしくお願いいたします。
7月 年中うさぎ組
プール・水遊びが始まりました。大きなプールに入ることをとても楽しみにしています。水の気持ち良さを感じながら、喜んでプール遊びに参加し、開放感を味わったり水の感触を楽しんだりするようにしていきます。
好きな遊びの中では自分の気持ちを動きや言葉で表しながら友達との関わりや触れ合いを楽しめるようにします。
また、身の回りのことや衣服の着脱などの生活面では、自分のことを自分でしようとする姿が見られるようになってきています。引き続き、自分でできた嬉しさを感じられるようにします。
暑い日が増えると、体調が崩れやすくなると予想されますので、ご家庭では睡眠を十分にとって生活リズムを整え、子どもたちが元気に遊べるように、ご協力をお願いいたします。
7月 年長ぞう組
プール・水遊びが始まりました。水の心地良さを感じて、「顔を水につけてみよう。」「体を伸ばしてみよう。」「浮いてみよう。」等、自分なりのめあてに向かって取り組めるようにします。
好きな遊びでは、友達と数人で自分の思いを伝え合って遊びを進めていく楽しさが感じられるように、仲介したり、自分の思いを伝えようとする姿を支えたりしていきます。
夏祭りごっこでは数人の友達のグループと協力し、思いを出し合ったり、やり遂げたりすることの楽しさを感じられるようにします。
自分たちで育てている夏野菜は、生長を楽しみに水やりをしながら、収穫し食べる喜びも味わえるようにします。
プール・水遊びが始まったり、暑くなったりして疲れが出やすい時期となります。生活リズムを整えて、元気に過ごせるようにご協力をお願いいたします。
6月 質の高い教育とは? 園長 川嶋佳恵
入園から2ヶ月が過ぎようとしています。新しい生活に不安を感じて登園時に保護者の方から離れ難かったうさぎ組の新入園児のお子さんやことり組の子どもたちも、門の所で園長の私と挨拶をすると、連れてきてくれた保護者を振り向きもせず、保育室の前で待っている担任の所まで小走りに駆けよっていく様子が見られるようになりました。「今日も、○○して遊ぼう。」「今日は、どんな楽しいことがあるのかなぁ。」「今日は、○○ちゃんと一緒に遊ぼう。」等子供園での生活への期待や喜びが大きくなったということですね。このような気持ちが支えになり、好きな遊びだけでなくみんなでする活動にも落ち着いて取り組むことができるようになり、それぞれの年齢に応じた経験がしっかりと積み重なっていくことにつながっています。
担任の先生たちは、週の半ば以降になるとその週の子どもたちの様子や、それぞれの歳児の年間指導計画に応じて次の週(月曜から金曜まで)の教育・保育の流れや経験させたい内容、そして、その経験させたいことをどのような活動や遊びの中で経験させていくのか案を立てます。これを週案と言います。その週案にそって、毎日の教育・保育の中で、子どもたちが、楽しく経験をしながらさまざまな力が確実に積みあがっていくように準備をしたり、導入の仕方を工夫したり等に手間と時間をかけ、子どもたちに「質の高い教育」が提供できるよう一生懸命取り組んでいます。
さて、ここでいう「質の高い教育」とはどのような教育でしょう。読み書き、計算ができることですか?幼児なのに、小学生みたいなことができるということですか?もしも、そのようにお考えの保護者の方がいらっしゃったとしたら、それは、高井戸西子供園が行っている「質の高い教育」とは違います。
例えば、子どもたちは園生活の中で思い通りにいかないことにたくさん出会います。遊びの中で、生活の中で、または友達との関わりの中で、物の取り合いになったり、順番を守らなければならなかったり、自分の思いが相手に伝わらなかったり…集団生活の中では、思い通りにならないことの方が多いのかもしれません。そういう時に、どのように折り合いをつけていくのか、折り合いの付け方を学ぶことも生きていくうえでは、とても大切なスキルだと感じます。
このスキルを身に付けていくためには、友達との関わりの中で、様々なやり取りや感情体験を繰り返し経験していくことが大切だと考えています。遊びの中で、自分とは違う考えがあることに気付いたり、けんかをして悲しい気持ちになったり、仲直りをして、うれしい気持ちになったり等一つ一つの体験を通して、子どもたちは、人との折り合いの付け方を学び、人への思いやりの心や感謝する心等大切な「生きる力」を身に付けていきます。この時、保育者が一方的に知識を詰め込んだり、ただ何となく、遊びや生活を見守ったりするだけでは、このような学びは掴み取れません。
保育者が、幼児の実態や年齢ごとの発達の特徴を的確にとらえ、遊びや生活、活動に取り組ませる際に、興味・関心がもてるような環境を整えたり、発達に応じた教材を準備したり、楽しく経験できるように活動の導入を考えたり、友達とのコミュニケーションが促されるような言葉を掛けたり等…様々な援助や指導を意図的・計画的に行うことで、幼児が自ら掴み取る多くの学びがあり、将来、たくましく生きるための力、生涯にわたる人格形成の基礎が確実に培われるのです。この教育こそが、高井戸西子供園がめざす「質の高い教育」だと考えます。
お子さんが思い通りにならなくて葛藤する様子は、かわいそうに感じたり、じれったく思ったりすることがあるかもしれません。しかし、年相応に思い通りにならない壁にぶつかることも、子どもたちの成長には欠かせないものなのです。高井戸西子供園では、このような経験を子どもたちの成長の上で、とても大切な機会と捉え、子どもたちが、日々の生活の中で思い通りにならないことを乗り越えながら、たくましく成長していけるよう「質の高い教育」に尽力してまいります。
6月 年少ことり組
園生活にも慣れ、身の周りのことも保育者に見守られながら、自分でしようとしている子どもたち。自分でできたことの嬉しさが、次につながっていく様子が見られるようになってきました。また、自分の気に入った遊びや簡単な製作を繰り返し楽しむ姿も見られています。ウサギやネコのお面を作ると、ぴょんぴょんジャンプして動いたり、ネコになってにゃ〜と鳴いてみたりして楽しんでいます。ウレタン積み木を使って、おうちを作ってご飯を食べたり、乗り物やベッドを作り保育者や他の幼児と一緒に乗って触れ合ったりすることも楽しくなってきました。
今月は、水遊びが始まります。水遊びを通して、水の感触や心地よさを感じられるようにし、プール遊びを楽しみにできるようにしていきます。砂場遊びでも水を使った泥遊びをたくさん楽しんでいきます。遊んだ後は、汚れた手足を洗ったり、着替えたりすることも繰り返しの中でできるようにしていきます。
6月 年中うさぎ組
製作や場づくりなど、自分のやりたいことを見付けて遊ぶことや、その中で友達と一緒に同じものを持ったり、同じ場で遊んだりする楽しさを感じています。おうちごっこやお店屋さんごっこなど、つもりになって遊ぶ姿も見られるようになってきました。
今月は、自分のやりたい遊びに取り組む中で、いろいろな素材や遊具を使って遊ぶ楽しさを感じられるようにしていきます。自分なりの思いや動きを出すことで、思いがぶつかり合い、トラブルになる様子も見られるようになってきているので、保育者がお互いの話をよく聞き、思いを受け止めて言葉にしながら、それぞれに思いがあることを知れるようにしていきます。
プール指導が始まります。水の心地よさや感触を楽しめるようにしていきます。一人で水着に着替える、髪や体を拭くなど、自分でできるようにご家庭でも練習してみてください。
6月 年長ぞう組
やりたいことを見付けてじっくり取り組んだり、気の合う友達と一緒に共通のイメージをもって遊ぶことを楽しんだりしています。大型積み木や巧技台などの友達と一緒に力を合わせて使う遊具も使い始めて、友達同士で声を掛け合って遊んでいます。また、伝えたいことや分かってほしいことが増えてきて、友達同士でのやりとりも増えてきました。その分、思うように自分の思いが伝わらないもどかしさや葛藤を感じている様子も見られます。
今月は、自分の思いを言葉で伝え、相手に伝わる嬉しさが感じられるようにしていきます。また、一方的に自分の思いを伝えるだけでなく、友達の思いにも気付くことができるようにお互いの思いを引き出し、聞き合うことができるようにしていきます。
プール指導が始まります。水の中で動いたり、遊んだりする中で、気持ち良さや開放感が味わえるようにしていきます。