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令和6年度 園便り
9月 「わくわくから始まる運動遊び」 園長 石床 美穂子
2学期が始まり、短時間保育のおひさまチームも登園し、子供園は、再会した喜びと共に全園児の子どもたちの元気な声が響いています。今年の夏も厳しい暑さで、太陽が容赦なく照り続けました。それぞれのご家庭での夏は、どのようなことがあったでしょうか。
今年の夏の大きな話題と言えば、パリオリンピックです。日本人選手の活躍は、感動と共に私たちに勇気を与えてくれました。東京オリンピックから3年間という長い間、一つの目標に向かって取り組み、緊張感のある舞台で自己の最高の力を出し切るということは、並大抵のことではありません。選手たちの忍耐力・精神力に感動するとともに、“やってみよう”“楽しい”と選んだ競技を続けてきた結果で、充実感や達成感を味わっている選手の清々しい表情が印象的でした。
幼児期の子どもたちにとって、運動とは、どのようなものでしょうか。文部科学省によって策定された「幼児期運動指針」には、身体活動(体を動かすこと)の習慣をつくることが必要であると示されています。幼児期に、身体を十分動かして遊ぶことで、幼児の身体機能や頭脳の発達が促されたり、様々な活動への意欲や社会性、想像力が育まれたりします。
運動は、「〜できる」といった目に見える行動をベースに考える場合が多いのですが、“面白そうだなというような好奇心、ルールを守る中でたのしくなると感じたり、友達と力を合わせたりするというような協調性、あきらめずに取り組もうとする頑張る力”なども培われ、体だけでなく、心も育ちます。
幼児期の運動遊びで大切なことは、子どもたちが、“わくわく”しながら取り組むことです。以前、研修会で、東京学芸大学の吉田伊津美先生が、幼児期の運動的な遊びの指導について、次のようにお話されました。「保育者は、子どもが自己決定的に運動するように援助する。運動遊びをする中で、いろいろな動きを経験している過程を尊重する。子どもが遊びながらしている自由で柔軟な発想を受け止める。このような援助をしながら、多様な動きを引き出していくことが望ましい。」つまり、運動は、訓練のように一つのやり方を一方的に教えるのではなく、「面白そう。」「やってみたいな。」という気持ちをもって始め、遊びながら「こんなふうにしてみよう。」と挑戦する中で、「もっと、やりたい。」と意欲的に取り組み、楽しむことが大切であるということです。
高井戸西子供園では、子どもたちが楽しく身体を動かして遊ぶために、保育者が笑顔で一緒に遊び、楽しさに共感したり、子どもの姿を認め励ましたりすることを心掛けていきます。また、教材研究、環境構成をしたり、活動の進め方を工夫したりして運動遊びを充実させ、多様な動きを経験できるようにしていきたいと考えています。
10月5日(土)に運動会を予定しています。子どもたちが“やりたい”と心を動かして楽しんできた運動遊びをプログラムに繋げていきます。2学期も「あそびがすき ともだちがすき じぶんがすき」の子どもたちが豊かな体験ができるように、力を尽くしてまいります。ご理解とご協力をよろしくお願いいたします。
9月 年少ことり組
2学期が始まりました。☆ほしチームと☀おひさまチームの全員が久しぶりに揃って、子どもたちはとてもうれしそうです。
9月は、保育者や他の幼児と一緒に、園生活のリズムを思い出し、安心して過ごせるようにしていきます。1学期に楽しんだ遊びを楽しみながら、新しいことにも関心をもてるようにしていきます。また、曲に合わせて踊ったり園庭で走ったりして、みんなと一緒に体を動かして遊ぶ楽しさを感じられるようにします。
9月 年中うさぎ組
久しぶりにうさぎ組みんなで集まって遊べることを楽しみながら、少しずつ園生活のリズムを取り戻していきます。保育者や友達と関わる中で、1学期に楽しかったことや夏の経験を思い出したり、再現したりしながら楽しく遊べるようにします。
走る・投げる・跳ぶ・バランスをとって渡るなど様々な動きを遊びの中で経験しながら、体を動かす心地よさや楽しさを味わえるようにしていきます。また、曲に合わせて踊ったり、イメージしたことを動きで表現したりする楽しさも感じられるようにします。学級のみんなで取り組む楽しさを感じながら、一人ひとりがのびのびと自分の力を出していけるようにします。
9月 年長ぞう組
2学期が始まり、ぞう組の子どもたちの元気な声が、再び保育室に溢れています。園生活のリズムを整えながら、1学期に楽しんだ遊びを思い出し再現したり、友達との遊びを楽しんだりできるようにしていきます。
また、走る、引っ張る、リズムにのって踊るなど、思い切り体を動かす楽しさを味わえるようにしていきます。また、学級やグループの仲間と一緒に活動する中で、自分の考えを出したり、相談したりして仲間と力を合わせる経験ができるようにします。取組の中で、一人ひとりが自分の役割が分かり、自信をもって自分の力を発揮し、10月の運動会へとつながるように支えていきます。
8月 「自然と子どもたち」 園長 石床 美穂子
桜が咲き、舞い散る4月の始業式・入園式から4か月が経とうとしています。早いもので、一学期の終業式を迎えます。高井戸西子供園の保護者とお話をしていると“園庭の自然環境がとてもよい”というご意見がたくさんあります。確かに、人見街道から少し入った門をくぐるとソメイヨシノ、八重桜、楓、柘榴、木蓮、金木犀、枇杷など・・大きな木々が何本もあります。子どもたちは、緑に囲まれた園庭で伸び伸びと遊んでいます。私も本当に素敵な園庭だと感じています。木漏れ日のきらめき、木陰のひんやりとした温度、吹き抜けるそよ風、鳥のさえずりなど、とても心地よく、園庭にいると心が安らぎます。四季の移ろいの中で、変わりゆく花や葉っぱの色、草花の香り、そよ風の音など五感を使って、様々なことを感じることができます。
高井戸西子供園の子どもたちは、園庭の自然に興味をもち様々な出会いをし、自ら触れたり遊びに取り入れたりしています。
3歳児のAさんは、子供園に入園してダンゴムシと出会いました。初めて見たのは5歳児が手のひらにのせていたダンゴムシです。そして、もぞもぞと動き、触れると丸くなる生き物が、“ダンゴムシ”ということを知りました。初めのうちは、気になって見るものの、触ることは怖くて「先生ここに入れて!」とカップを差し出し、入れてもらい満足そうに眺めていました。それが、先生がそっと手のひらにのせたことをきっかけにダンゴムシに触れるようになりました。「くすぐったい。」と言いながらも、とてもうれしそうなAさんでした。翌日からは、ダンゴムシ探しに夢中になりました。ダンゴムシ探しの名人は、経験のある4歳児や5歳児です。居場所をよく知っている姿を見て真似ながら、Aさんも園庭の木陰や隅の方を散策し始めました。”葉っぱの下にいるはず“と葉っぱをめくっては「いた!」と喜んだり、「あれ、いない?」と残念がったり、繰り返し葉っぱをめくり探していきました。自分から自然に関わり、触れることで好奇心が生まれ探求心がわきでてくるのでしょう。じっくりとダンゴムシ探しをしたAさんは、「園長先生、見る?」とダンゴムシがたくさん入った入れ物を誇らしげにみせてくれました。自然の中で出会える虫たちは、子どもにいろいろな感情を教えてくれます。『小さい、怖い、かわいい、気持ち悪い、面白い、不思議』など、自分で触れる中で感じていきます。時には、上手く扱えずに潰してしまうこともありますが、こうした経験を通して、生き物との関わり方も学んでいきます。
4歳児は、3歳のときからの経験から、いろいろな虫にも興味が出てきています。1人で探すこともありますが、2〜3人で一緒に探すことも多くなりました。「ここにいるはず!」「こっちかな?」と一緒に動いたり「いたよ!」と見付けた虫を見合ったりして気が付いたことを思い思いに話しています。そこにいることに気づかないほど静かに、子どもたちは、しゃがんで、真剣に探していることもあります。ダンゴムシはもちろん、テントウムシ、カミキリムシ、カマキリ、タマムシなどを見つけて、動く様子や色のきれいさにじっと見入っています。また、知りたいことを図鑑で調べたり、土を入れ葉っぱを集めて虫の家を作ったりすることもありました。
5歳児は、園庭の花の花びらを集めて、色水づくりをしました。散った花びらや草、シソなどを園庭で見付けて、すり鉢とすりこぎを使ってすると、それぞれの色が出てきます。Bさんが「こんな色になったよ。」とCさんに見せるとCさんは、「わたしは、こんな色。」と見せ合い、お互いの色を興味深く見ていました。同じ花びらを使っても色が違うのはなぜだろう、水を入れていくと色が変わっていく、違う色の花びらでするとどんな色になるのだろう・・と試行錯誤しながらいろいろな色に出合っていきました。透明の容器に入った花の色水に陽が当たりキラキラしていて、自然の色の美しさを感じていました。また、「シソは、いい匂いがする。」「草は、こんな匂いなんだ。」など匂いも感じて、それぞれの感じたことを表していました。
自然を感じる遊びの中では、子どもたちが実際に土や葉っぱ、花、昆虫などに触れて、自分たちで新たな疑問や発見をしていきます。好奇心や探究心をもって考えたことを自分なりに表現したり、友達と伝え合ったりすることで、自然への関心がさらに高まります。そして、豊かな感情、思考力、表現力などが育まれます。これからも高井戸西子供園の自然環境を大切にして、さらに自然との関りが深まるようにしていきます。
昨日、園庭にセミの鳴き声が響きました。いよいよ夏の始まりです。7月、8月と親子で過ごす機会もあるかと思います。夏ならではの自然体験を一緒に楽しんでくださいね。